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第六章・13
初めて出会った時のことを、思い出した。
冷たい空気に頬を赤くした、制服姿の少年。
あの時彼は、本当に子どもで。
俺のことなど、まるで知らなくて。
そんな郁実がすっかり大人びて、身体を重ねる仲にまでなった。
ぺろぺろと、夢中で颯真のペニスを舐める郁実。
唾液が鳴り、熱い吐息がかかり、颯真はどんどん硬く大きくなってゆく。
「上手だよ、郁実。誰かで練習した?」
「まさか。こんなこと、初めてです……」
技巧はまだまだだが、丁寧さがそれをカバーして有り余る。
心を込めて、尽くしてくれていることが、解る。
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