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第八章・8

「良かったじゃないですか!」  ……とは、颯真のマネージャーが思わず発した本音だ。 「どこが良いんだよ! 言ってみろ!」  胸倉をつかまれ、マネージャーは両手を上げた。  彼の『降参』のポーズだ。  だが、解放されたマネージャーは一歩下がって、さらに本音を放ちまくった。  これまでの鬱憤を、晴らすかのようだった。 「一般人に熱を上げて、今までどんだけ仕事に支障をきたしたと思ってるんです!?」 「ちょっと整理しただけだろ」 「こないだも、ラブシーンは嫌だ、なんて言って撮影バックレて」 「あれは向こうの契約違反だろ」 「いくら五条さんだからって、もうヤバいかもしれないんですよ!」 「干されても、また挽回すりゃいいだろ」

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