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第八章・9
いや、その方が返って都合がいい、とまで颯真は言った。
「今から郁実のリハビリが始まるんだ。誰かが傍にいてやらなきゃならない」
「まさか、五条さん。あなたが、その誰かさんになるつもりですか!?」
「もちろんだ」
息を呑み、マネージャーは肩を落とした。
「じゃあ私は、職を失うんですね。五条 颯真のマネージャーと言う職を」
気を落とすな、と颯真はマネージャーに手を差し伸べた。
「俺だって、無収入じゃ食っていけない。俳優業はいったん休止だが、音楽活動を続けるよ。あと、デザインも」
「ライブとか、絶対無理じゃないですか」
「作詞や作曲を、本腰入れてやろうかと思ってる。あれなら、在宅でもできるだろ?」
そこでマネージャーは、ようやく一歩前に出て颯真の手を握った。
「さすが、五条 颯真。転んでも、ただじゃ起きない」
「それが、俺さ」
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