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第九章・9

「じゃあ、いくよ」  上ずってしまう声を必死で抑えて、颯真は先端を挿入した。 「颯真さ……ッ!」  背中に回された郁実の手が、爪を立てる。  甘い痛みを感じながら、颯真は腰をゆっくり進めた。  あぁ。  本当に。  ホントに、颯真さんのが、僕の内に……ッ! 「ふッ、あ! ん、あぁ、あ。あぁんッ!」 「郁実……」  奥までかっちり挿れられ、郁実は歓喜に震えた。  颯真さんのが、僕の内に形作られてる……。 「動くよ、いいね」 「ん、っく。あぁ、あ。あんっ!」  優しく包み込むような律動は、やがて速く激しくなってゆく。

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