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第九章・15
「郁実?」
「颯真さん……、僕なんかでも、いいんですか?」
「君が、いいんだよ」
プロポーズ、受けてくれるね?
喫茶店のスタッフが、息を詰めて見守っている。
ああ、時が止まったよう。
少しだけ、いや、大いに照れて、郁実は返事をした。
「はい。今後とも、よろしくお願いします」
店内は、大きな拍手で包まれた。
「おめでとうございます!」
「おめでとう、店長!」
「今すぐ、婚約指輪選びに行ってもいいですよ!」
ありがとう。
ありがとう、みんな。
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