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微熱②

「レオ、いつからいたんだ?」 島田がレオに問いかける。 「少し前からいましたよ。鍵は預かっているのでこっそり入らせてもらいました」 「そうか…まぁお前はオーナーのお気に入りだからな。ところで、看病すると言ったか?」 「はい。大切なAAAランクが体調を崩しているのだから、誰かが看病してあげないと」 「まぁお前になら任せてもいいが、レオ、お前もAAランクという貴重な存在だからな。くれぐれも風邪をうつされたりするなよ。」 「大丈夫ですよ、ボクはなかなか風邪をひかないので」 島田は、フンと鼻を鳴らすと、空を一瞥し、部屋を出ていった。 レオは空のベッドへ近付き、空のおでこに手を当てる。 「やっぱり熱があるね。」 「ゴホッ、ゴホッ…、レオ…くん」 「"レオ"でいいよ。ソラ。」 レオはニコリと笑った。 そして、さっそく看病に取り掛かる。 濡れたタオルを空の頭にあて、シェフへ連絡してお粥を作らせ、スポーツドリンクと一緒に届けてもらった。 空は食欲がなかったが、少しだけお粥を食べ、水分を補給した。 そして暫く眠った。

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