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診察①
翌朝、昨日よりはだいぶ体調がよくなった。
例のランジェリーしか着るものがなかった空に、レオがパジャマを与えていた。
オーナーに交渉して受け取ったということだった。
着用できるのは体調不良のときと寝るときだけという制約付きだったが、それでも空にとっては有難かった。
自分はAAランクという貴重な存在だから、それを盾にすればある程度の言うことは聞いてくれるとレオは言った。
空は、自分にはそんな器用な真似はできないと思った。
受け取ったパジャマはキャラクターの絵が描かれた子供っぽいものだったが、それでもランジェリーなんかよりよっぽどよかった。
何よりレオが自分の為に手に入れたものだから大切にしたいと空は思った。
今日もレオが来てくれるのを期待して、空は少しドキドキしていた。
しかし、来たのは白衣を着た初老の男だった。
「…誰…?」
空は、ベッドに腰掛け、警戒した様子で尋ねる。
「警戒しないでおくれ、わしは医者じゃよ。オーナーから診察するように頼まれたのでね」
医者と言った初老の男は無遠慮に部屋に入り、空のベッド縁までやってくる。
持ってきた救急箱から聴診器を取り出した。
その怪しい初老が信頼できず、疑いの眼差しで見ていた空だったが、聴診器等の医療用具を持っている事から医者というのは本当なのだろうと思った。
「さて、口をあけてくれるかの?」
空は言われた通りに口を開けた。
「喉が少しだけ腫れてる。風邪じゃな。まぁ様子を見ると治りかけのようじゃがな。次は胸の音を聴くから、パジャマの前を開いてくれるかの?」
喉の様子を見た医者は言った。
「あ、はい」
医者っぽい手馴れた動作と言動に空は少し安心し、パジャマのボタンを外し、前を開いた。
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