93 / 224

診察③

男は空のパジャマのズボンに手をかけ、脱がそうとする。 「や、やだぁ!脱がさないで…!」 空は慌ててズボンを抑えて抵抗する。 「こら、暴れるでない。これから診察してやろうとしているんじゃぞ」 「そんなのしなくていい…!もうやめてよ!」 空は必死に抵抗するが、まだ体調が万全でない為、力が入らない。少しずつズボンがずり落ちていく。 「ほれほれ、少しずつ見えてきたぞ。なんじゃ、ちんちんの毛、ほとんど生えとらんじゃないか?こりゃ病気かもしれんな。その下も早く見せてもらわんとなぁ!」 「いやっ、変態!手離して…!やだぁ!」 ズボンが中の下着と一緒に脱がされそうになったとき、男の手を誰かがガッと掴んだ。 「な、なんじゃ!?」 男と空が同時にそっちを見た。 そこにいたのはレオだった。 「おっさん、アンタの役目は診察じゃないのかい?これは明らかに違う事をしようとしてるよね?」 レオの冷めた目に男は動揺する。 「ち、違う!わしは診察を…」 「オーナーに報告してもいいんだよ?」 「ひぃっ、す、すまん!それだけは」 「じゃあ今すぐここから居なくなってくれる?今度ソラに近付いたら許さないよ」 レオの鋭い眼差しに気圧された男は一目散にその場を去った。 レオは空の服を整えて、優しく問いかける。 「大丈夫?ソラ」 「レオ…!」 空はレオに抱きついた。 レオも空を強く抱きしめる。 そして、レオはまた空にキスをする。 レオは空を、空はレオをきつく抱き締めていた。 その後もレオは空につきっきりで看病してくれていた。 空にとってレオといる時間だけが、かけがえのないものとなっていた。

ともだちにシェアしよう!