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弄ばれる体⑧
「なにをしている?」
扉を開けて入ってきたのはオーナーだった。
「お、お、オーナー!」
老人は、驚いて尻餅をつく。
オーナーは状況を見て、事態をすぐに把握した。
「空君の部屋に出入り出来るのは、私と島田、それにたまに鍵を渡しているレオくん。そしてお前だ」
お前、と言ってその老人を指差した。
「いつも医務室にいる筈のお前がいないのでね。まさかと思って来てみたら案の定だ。先日、空くんに手を出していた事もレオくんから聞いていたからね」
「ご、ご、誤解じゃ…!わしは診察を…」
「これのどこが診察だ?笑わせるな!」
オーナーは怒りを露わにして言った。
「今までも診察などと言って、少年達に手を出していた事は薄々わかっていた。だが、まさか空くんにまで手を出すとは。罪深い。重い罰を与えないといけないね」
オーナーのその言葉を合図に黒ずくめの仮面をつけた男2人が部屋に入り、逃げ出そうとする老人を押さえ込んだ。
「は、離せ…!オーナー、わしは…」
「死にたくなるほど痛い目に合わせてあげよう。連れて行け」
「ヒッ…」
怯え暴れる老人を2人の男は難なく押さえ込み、部屋の外へと連れ出されて言った。
オーナーは、扉を閉めた。
部屋にはオーナーと空だけが残された。
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