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外出②

車が発進する。 運転席と助手席にはスーツの男達が座り、後部座席には空と島田が隣合って座った。 後部座席と前の座席には仕切があり、車内の窓もカーテンがひかれていた為、外を見ることはできなかった。 カーテンを捲ろうとしても周りの男達に止められるのがオチなので、何もできなかった。 車は静かに走り続ける。 「お前、こうやって見ると本当に女にしか見えねぇな」 島田は空の顔をまじまじと見て言う。空は嫌悪感から目をそらす。 「おい、無視すんなよ。ただ話しかけてるだけだろ。お前、ここに来る前は高校に通ってたんだろ?学校でもモテただろ?」 「…男子校だから…」 話をする気分ではなかったが、無視するとまたお仕置きされそうだったので渋々返事をした。 「んなこたわかってるよ。男にモテただろって聞いてんだよ。こんなに可愛い顔してたら、その気の無い同性だって性的な目で見るぜ?お前のことを」 「そんなの…あなた達だけだ…」 空は怯えながらも攻撃的な回答をする。こんな奴らに屈したくないという思いは常に心の中にあった。 「まったく、ほんとに生意気だな、お前。可愛い顔して度胸がすわってやがる。まぁ俺はお前のそういうところを気に入っちゃいるけどな」 島田はガムを取り出し、クチャクチャと音を立て噛みながら言った。

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