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淫猥③
「…な、何言って…」
接待という単語を聞いて空は全身を震わせる。嫌な予感しかしない。
「本当に男の子か?女の子でもこんなに可愛い子はいないぞ」
「こんなに可愛い子を好きにできるのか」
「何百倍の倍率の抽選があたって本当に良かった!!」
3人の男たちが口々に言う。空は怯えて、その場に固まっていた。
「皆さん、まだ彼に手を出してはいけませんよ。最初に彼に触れるのは僕ですからね。」
帰山が周りの男たちに言った。
「なんだと、ガキが。何の権限があって…」
「権限ならありますよ。わかっているでしょう?僕は特別招待客ですから。」
「チッ…」
喜山には何らかの権限があるようで、周りの男達は渋々帰山に従っていた。
訳がわからず立ち尽くす空に帰山が話し始める。
「空先輩が突然学校に来なくなって、僕は気が気じゃなかったんですよ?先生やまわりの人に聞いても誰も知らなくて、もう会えないのかと思うと涙が止まりませんでしたよ。そんなある日、島田という人から連絡が来たんです。簡単に言うと、多額の金を払えば空先輩の事を好きにさせてやる、と言うことでした。その島田という男は、空先輩のスマホを見て僕に連絡したと言いましたが、それだけではないでしょうね。僕の家はお金持ちでしたから、その情報も知った上で連絡してきたんだと思います」
帰山は一気に喋った。
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