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狂宴②
「ほう、これは想像通り。いや想像以上にお似合いだよ、空くん」
オーナーは怪しげな笑みを浮かべて言った。
空は純白のドレスを着させられていた。
「なんでこんな格好…」
「言っただろう?君が今日のパーティの主役だからさ」
「パーティって何!?そもそもこんな格好、僕男なのにおかしいよ!」
空は、オーナーを睨み付ける。
「本当にどこまでも勇敢な子だね。こんなに沢山の大人に囲まれながらも、臆することなく真っ直ぐに私を睨む。」
オーナーはゆっくりと空に近付く。
後ずさりしようとする空をスーツ姿の男たちが後ろから押さえ込む。
オーナーは空の顎をガッと掴み、自分の顔の方を向かせる。
「今思えば、君のその美しい瞳を初めて見た瞬間から、私の心は奪われていたのかもしれないな」
オーナーは真っ直ぐに空の目を見た。
「…やだ、離して…っ」
空は必死で身じろぎをするが、オーナーは気にせずに言った。
「さて、パーティ会場に向かおうか」
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