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狂宴⑥

オーナーは空の手を引いて、ステージにあがった。 「や、やだ…!離して!」 空の抵抗もむなしく、壇上に乗せられてしまう。 オーナーがステージ上のマイクを手に取る。 その間、スーツの男たちが空を背後から拘束する。 「皆様、お久しぶりです」 オーナーがマイクのスイッチを入れ、ステージに集まった男達に向けて言葉を発した。 シャンパン片手に立食パーティを楽しんでいた男達は、一斉にステージ上に注目した。 「皆様、いよいよお待ちかねの時間がやってきました。この宴のメインイベントの始まりです。なんと今回の少年は我が館における最高の逸材。なんとAAAランクとなります。」 AAAランクという言葉を聞き、男達がざわめき始める。 「このドレスを着た美少年、空君こそがそのAAAランクとなります。見てください。この可愛らしい顔に華奢な身体。こんなに純粋そうな顔をして、感度は抜群です」 オーナーの説明に空は顔を赤らめ下を向く。 「確かにとても可愛らしい顔をしている」 「女の子じゃないのか?」 「天使のようだ」 「AAAランクとはよく言ったものだ。今までの少年とは雰囲気がまるで違う」 男達は口々に言った。 空はこれから行われる行為を察し、先程以上に暴れようとした。 「空君、暴れても無駄だよ。それにせっかくのドレスが汚れてしまう。このパーティの主役に抜擢されることはとても名誉な事なんだよ。いい子だから大人しくしていなさい。」 オーナーは子供を諭すように言うが、その目は欲情に満ちていた。

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