215 / 224
狂宴⑥
オーナーは空の手を引いて、ステージにあがった。
「や、やだ…!離して!」
空の抵抗もむなしく、壇上に乗せられてしまう。
オーナーがステージ上のマイクを手に取る。
その間、スーツの男たちが空を背後から拘束する。
「皆様、お久しぶりです」
オーナーがマイクのスイッチを入れ、ステージに集まった男達に向けて言葉を発した。
シャンパン片手に立食パーティを楽しんでいた男達は、一斉にステージ上に注目した。
「皆様、いよいよお待ちかねの時間がやってきました。この宴のメインイベントの始まりです。なんと今回の少年は我が館における最高の逸材。なんとAAAランクとなります。」
AAAランクという言葉を聞き、男達がざわめき始める。
「このドレスを着た美少年、空君こそがそのAAAランクとなります。見てください。この可愛らしい顔に華奢な身体。こんなに純粋そうな顔をして、感度は抜群です」
オーナーの説明に空は顔を赤らめ下を向く。
「確かにとても可愛らしい顔をしている」
「女の子じゃないのか?」
「天使のようだ」
「AAAランクとはよく言ったものだ。今までの少年とは雰囲気がまるで違う」
男達は口々に言った。
空はこれから行われる行為を察し、先程以上に暴れようとした。
「空君、暴れても無駄だよ。それにせっかくのドレスが汚れてしまう。このパーティの主役に抜擢されることはとても名誉な事なんだよ。いい子だから大人しくしていなさい。」
オーナーは子供を諭すように言うが、その目は欲情に満ちていた。
ともだちにシェアしよう!