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19.触れる体温と重なる心音5
早川が履いていたズボンを下着ごと脱がせると、既にしっかりと勃ち上がった彼のものが露和になる。先端からたらたらと透明な体液を垂らしていて、下着の内側には染みが出来ていた。以前と変わらず感じやすくてすぐに濡らしてしまう彼が可愛らしくて、キュンと胸が疼く。自分の手やキスで気持ち良くなってくれていたのが堪らなく嬉しい。
ベッドに寝ていた早川の半身を起こして、胡座をかいた自分の足を跨ぐように座らせて向かい合う。
その時に早川が着ていたシャツも脱がせようとしたが、真っ赤になって自分のシャツを着ている彼の姿に、なぜか堪らなくなりそのまま着せておくことにした。
シャツの裾から手を突っ込んで、手のひらで撫でるようにつう、と上から下へ背中を辿っていく。ぴくり、と早川の身体が跳ねて、ぎゅっと抱きつくように背中に手が回される。
背中、腰、と徐々に下へ降りていく大原の指が、早川の双丘の間に触れた。誰にも触れられたことのない蕾をそろりと指の腹で撫でられると、緊張と少しの期待でバクバクと心臓が音を立てた。
「んっ、あ、待って!俺の、鞄の中に…っ、て、えっ?」
鞄のどこかにあるはずのローション、それが必要だと言おうとした。しかしその前に、大原がベッドヘッドの引き出しから別のローションのボトルを取り出した。ゴムの入った箱も一緒に。
最後までする気配を微塵も感じさせなかった大原だが、しっかりと必要な道具たちを予め用意してくれていた。心のどこがで早川と繋がりたいと、そう思っていてくれていたのかと考えると急に顔が熱くなった。
大原はローションを自らの手でに出し、少し温めてから早川の後孔へ塗り込む。慣れない感覚に、ぶるりと身体が震えた。
「指、入れるぞ。痛かったらちゃんと言えよ?」
「うん……ンっ!」
つぷり、とローションを纏った大原の指が中に入った。とんでもない異物感に、息が詰まる。
「大丈夫か?痛くない?」
「ん、へーき、痛くない……このくらい、なら…練習した、から」
「少し、動かすぞ?」
「うん……んっ、うぅ……」
大原の指が、つぷつぷと浅いところを出入りする。第一関節だけ何度も出入りさせていると、中が段々と馴染んできたのか、スムーズに出入りできるようになってきた。これなら案外余裕かもしれない、なんて思っていたら、ずぷりと大原の指がさらに深い所まで入り込んで息が詰まった。
「う、ああ……っ」
「ごめん、痛いか?」
「んーんっ、平気だから……っ、つづけて…」
正直なところ、全然平気ではなかった。異物感が気持ち悪いし、無理やりこじ開けられて痛い。大原は潤滑剤をたっぷりと使ってゆっくり慣らしてくれるから、まだ耐えられる。大原の手でなかったら、もうとっくに根を上げている。
なるべくゆっくり息を吐いて、身体の力を抜くようにしているがうまくいかない。ぎゅっと目を瞑って、歯を食いしばって後孔への痛みと違和感に耐える。先ほどまで勃ち上がっていた早川のものは、痛みのせいですっかり萎えてしまっていた。
ここで早川が痛い、無理などと弱音を吐けば、大原はきっとすぐにこの行為をやめてしまう。そして、きっと最後の宿泊の日まで早川に触れないで終わってしまう。それでは駄目だ。どうしても、大原と最後までしたい。自分が辛くても苦しくても、大原が気持ち良くなってくれればそれで良い。彼と心も身体も繋がりたいのだ。
ふと、背中を支えていた大原の手がすっかり縮んでしまった早川のものに伸ばされた。柔らかくなったそれに、やわやわと揉みしだくように刺激を与えられる。
「駿太、こっちに集中して」
「ふ、あっ!ん、前触ったら、やばいって……っ、んんっ」
早川の感じやすいそこは、すぐに硬くなり始める。快感を流そうと身を捩ると支えを失った身体はぐらりと傾いた。大原に何とか支えられながら、優しくベッドへ倒される。その間も大原の後ろを探る指は止まらない。いつのまにか指が2本に増やされ、抜き差しではなくナカを探るような動きに変わっていた。
ふと、大原の指が早川のナカのある一点を掠める。ビクンっ、と早川の意思とは関係なしに大きく身体が跳ねた。
「ああっ、んっ!え…な、なに……?」
ガクガクと腰の震えが止まらない。目の前にチカチカと星が飛ぶような突然の強烈な快感。たぶん、早川の前立腺に触れたのだろう。調べたので知識としてはあったが、こんなにも身体がおかしくなるなんて。
戸惑う早川を他所に、大原の指はその一点をぐりぐりと容赦なく弄る。
「は、あっ、まっ、待って!なごっ、まって……っ、そこ、ヘンだから、ぁ、こわ、い…っ、んうっ」
「…大丈夫だから、気持ちよくなろう、な?」
「あっ、まえ、ダメだって……ううっ、ふぅ、ああぁ……っ!」
前立腺を攻め立てられながら前を扱かれると堪らなかった。頭が真っ白になる。背中を逸らし強烈な快感に腰を震わせながら、早川は自身の腹に白濁を吐き出してしまった。
その間も後孔を弄る手は止まらない。絶頂を迎えて身体の力が抜けているうちに、3本目の指が侵入し、ナカを広げるようにバラバラと動いている。
「なごぉ…まって……イったばっかで、んっ、わけ、わかんな……ぁ…」
「駿太、ごめん……もう少し頑張ろうな?ゆっくりやるから」
「ふ、ぅ……んン、う…」
安心させるように、優しく頬を撫でられ、啄むようなキスをした。
言葉通り、ゆっくり暴かれていった身体は、もう既にトロトロで蕩けそうだ。大原の手や口によって高められた場所は、もう全部気持ち良い。
先ほどまであんなに気持ち悪かった後孔は、確かに快感を拾うようになっていた。じくじくと奥が疼き始める。指だけじゃ足りない、もっと奥に、もっと奥まで大原が欲しい。
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