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21.最後の夜と大事な借り物2

 快感に浸っていると、下の口にいつの間にかゴムを装着した大原のものが当てがわれた。ローションがたっぷりと塗られた入り口に、ぬるぬるとさらに塗りこむように何度か擦り付ける。 「……駿太、いいか?」 「うん……っ、はやく……ん、んんぅ〜〜っ!」  口を塞ぐようなキスをされ、その間にぐぐっと大原が腰を進めた。何度か浅いところを行き来して、早川の身体から力が抜けた隙に一気に奥まで進んだ。 「…〜〜〜っ!は、ぁ……は、あっ」 「く、う……っ、ごめん、駿太…辛いか?」  身体が驚いて、思わずナカをぎゅうっと締めてしまう。その刺激はダイレクトに大原にも伝わったらしく、短く息を吐いた。  ぽたぽたと大原の額から汗が滴り、早川の顔に落ちる。見上げると、余裕のない顔をしていた。ぐっと奥歯を噛みしめ、快楽に呑まれそうになるのを耐えている。  ああ、余裕がないのか。でも、自分のために、我慢してる。そう思うと愛おしさが込み上げてきた。力のはいない腕をなんとか伸ばして大原の背中に回した。 「ん、駿太……?」 「ナゴ、好き……好きだ、なあって、おもって……」 「っ?!」 「んぁっ!な、なんで、おおきく、なって…ああっ!」  むくり、とナカの大原のものが大きくなって、思わず高い声が出る。どこでスイッチ入ったんだ、と咎める暇もなく、大原が腰を動かし始める。 「駿太、駿太…っ、好きだ」 「あっ、ん、ンぅ、おれっも…、すき、ぁ…っ」  大原に奥を突かれるたび、情けない声が上がる。恥ずかしい、なのに声を我慢できない。大原は譫言のように何度も早川の名前を呼んで、好きだと繰り返す。早川も甘い声で好きだと応える。 「なごっ、おれ、もう、イく……!あ、う、ああっ!」  背筋がゾクゾクとする。自分の限界が近付いていることを伝えると、大原は早川の中心に触れ、上下に激しく扱く。直接的な刺激に耐えられず、早川のそこはあっという間に白濁を吐き出す。   「ふ、うぅ、なごっ、止まって…っ!」 「……ごめん、あと少しだけ」 「う、んっ、あぁ……も、むり、ぃ!」  早川は達したのに大原は止まらない。腰を叩きつけるような激しい動きに、開いたままの口から情けない声が勝手に漏れる。達したばかりの敏感な身体は、とこを突かれても快感を拾ってしまう。過ぎた快感が辛くて、ぎゅっと大原に抱きつき、彼の背中に爪を立てた。大原も限界が近いのか、だんだんと腰を突き立てる動きが速くなる。いいところが擦られ、ビクビクと勝手に腰が跳ねる。ああ、やばい。またあの快楽の波に呑まれてしまいそうだ。 「なごっ、なごぉ…っ、ん、ああ……」 「っ、駿太……っ!」  身体の奥で、粘膜越しに彼のものが脈打つのを感じた。じわっと温かさが広がり、大原も達したことがわかった。  早川はと言うと、ついに限界を迎えてしまったようで、大原の背中に回していた手がずるりと落ちた。めがトロンとしていて、今にも眠ってしまいそうだ。  その様子の早川に気付いたのか気付いていないのか、大原は2人分の汗やら体液やらでベタつく早川の身体を力強く抱きしめた。痛いくらい強く抱きしめられ、飛びかけていた意識が少しだけ戻って来る。 「っ、駿太、駿太……ごめん」 「…………な、ご?」 「……明日、帰したくない。一緒に居たい。ごめん」  ーー俺も帰りたくない。帰るなら、ナゴを連れて行きたい。    本当はそう応えたかったのに、言葉にはならなかった。身体の限界には逆えず、ぷつんとそこで意識が飛んだ。  二人の最後の夜が終わりを告げる。  目を覚ましたら、もう帰らなければならない。時間は望んでも戻らないし、止まらないのだ。

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