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永太郎と早川家7

 家の中に入ってすぐにキスをした。鍵を閉める間すら惜しくて、深く深く口付けながら後ろ手で閉めた。  静かで暗い家の中、ぴちゃぴゃと二人の舌が絡まり合う音だけが聞こえる。  家の玄関で靴も脱がずに、早川のことを壁に押しつけて逃げられないようにして。優しくするって、大事にするって決めていたのに。こんな壁に押さえつけてする激しいキスは、優しいなんて言えるのだろうか。本当はベッドで丁寧にするべきなのに、そこまで我慢はできそうにない。 「……んう、ふ…」 「は……駿太」 「んんっ、ぅ、ぁ……も、むり……っ」  すっかり腰が砕けてしまった様子で、ずるずると壁に寄り掛かりながら座り込んでしまった。キスだけで感じてとろとろになってしまった彼の表情に心が疼く。早く、もっと触れたい。  腰が砕けてしまった早川を抱えて、バスルームへ向かう。 「わっ……えっ、ナゴ?何するの?」 「風呂、入ろう。手伝うから」  何を手伝う、なんて言わなくても察しがついたようで早川の顔がみるみる赤くなる。  以前は1人では上手くできないと、一緒にすることがあったのだが、最近の早川は大原に手伝われることを嫌がる。大原としては、最初から最後まで全て一緒にしたいのだが、もちろん早川が嫌がることはしない。しかし、今日は違う。どうしても、一緒にしたかった。 「……駄目か?」 「うう……駄目じゃ、ない、けど……」  恥ずかしい、と泣きそうな顔で言う早川に、また心が打たれた。  付き合い始めて長い時間が経ったはずだが、今日は何度彼にときめいただろうか。

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