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お題『可愛いのは見た目だけ』
アンタからの呼び出しは、
いつだって唐突だ。
一時間後ならまだ良い方。
夜中の二時に携帯が鳴って、
「飲み過ぎたから今すぐ迎えに来て」なんて、涼しい声で無茶を言う。
これで最後だと毎回思うのに、
アンタからの『ご褒美』に、
俺は結局絆される。
ベッドの上で味わう飴は、
蠱惑的な甘さで、俺を犬へと仕立て上げる。
邪魔な布は互いに全て脱ぎ去って、
肌を合わせた直後。
「ねぇ……喉、渇いた」
気まぐれな呟きと共に、
小綺麗な顔が俺を見上げてきた。
「なんで今。どうせ、後で水飲むんでしょ」
眉を顰めた俺の口許に、白い人差し指が伸びてくる。
「イイから、おあずけ」と悪戯に笑う、形の良い唇。
アンタは天使の皮を被った悪魔だと、
もう充分わかっているのに、
シーツの上に散らばる甘い誘惑に、
俺は今日も抗えない。
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