25 / 35

お題『可愛いのは見た目だけ』

 アンタからの呼び出しは、  いつだって唐突だ。  一時間後ならまだ良い方。  夜中の二時に携帯が鳴って、 「飲み過ぎたから今すぐ迎えに来て」なんて、涼しい声で無茶を言う。  これで最後だと毎回思うのに、  アンタからの『ご褒美』に、  俺は結局絆される。  ベッドの上で味わう飴は、  蠱惑的な甘さで、俺を犬へと仕立て上げる。  邪魔な布は互いに全て脱ぎ去って、  肌を合わせた直後。 「ねぇ……喉、渇いた」  気まぐれな呟きと共に、  小綺麗な顔が俺を見上げてきた。 「なんで今。どうせ、後で水飲むんでしょ」  眉を顰めた俺の口許に、白い人差し指が伸びてくる。 「イイから、おあずけ」と悪戯に笑う、形の良い唇。  アンタは天使の皮を被った悪魔だと、  もう充分わかっているのに、  シーツの上に散らばる甘い誘惑に、  俺は今日も抗えない。

ともだちにシェアしよう!