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お題『傷つけ合う恋だった』

 触れ合う肌は次第に熱を帯びていくのに、  心はどんどん冷えていく。  零れる吐息は熱いのに、  紡がれる言葉は虚しく響く。  交わる視線、  絡む指。  その手に嵌る、プラチナの枷。  アンタから伸びた鎖を握るのは、  俺の知らないどこかの誰か。  身体はこんなにも容易く繋がれるのに、  俺にはアンタを縛れない。  決して実らない恋なのに、  弱くて意気地のない俺たちは、  目の前の欲求に縋ることしか出来ずにいる。  空っぽのこの心に、  せめてアンタの傷痕を、  消えないくらい刻み込んでよ。

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