3 / 55

2-01-2 恋人達のクリスマスイブ(2)

僕達は、ゆったりとしたクリスマスイブの食事を終えて、駅に向かった。 イブをすっかりと満喫できた。 イルミネーションも綺麗だったし、ツリーもよかった。 プレゼントもまずまずだし、食事もファミレスながらいつもより美味しかった気がする。 ああ、家に帰って今日撮った写真を見返すのが楽しみ。 ヒューっと凍るような風が頬を撫でた。 「うー。冷えるな」 雅樹が、コートの襟を閉めた。 そこへ、粉のようなものが目に留まった。 「雅樹、みて! 雪だよ!」 「そっか、冷えるわけだ……」 僕は、曇った空を仰いでくるっと回った。 「やった! ホワイトクリスマス!」 「ははは。はしゃぎすきだぞ! めぐむ」 「だって! ふふふ」 こんなサプライズまで! 今年のイブは最高! 一転、がっくりとする。 満員電車だったのだ。 さすが、クリスマスイブ……というわけ。とほほ。 満員は嫌だけど、実は嫌な事ばかりではない。 僕は扉を背にして、向い合せに立つ雅樹の腕の中。 ほぼ雅樹に抱かれているのと同じなのだ。 でも、嬉しい反面、雅樹に悪い気がする。 雅樹は腕で扉を抑え、周りからの押し込みを一手に引き受けてくれているのだ。 僕は、ふと雅樹を見上げる。 雅樹は、ニコリと微笑む。 辛いはずなのに……。 僕は小声で雅樹に話かける。 (雅樹、大丈夫?) (めぐむこそ、痛くないか?) (うん、大丈夫。ありがとう) キー! 電車がブレーキで、車内はガタっと揺れた。 「申し訳ありません、ただいま電車が揺れましたことをお詫びいたします」 そこへ車内アナウンス。 って、いうか……。 いまの揺れで、雅樹の支えが緩み、僕達はいっそう密接する。 いまや僕の股の間に、雅樹の脚が食い込んでいる。 やばい。 雅樹のももが、僕のあそこにもろに当たっている。 このままだと、変に意識しちゃう……。 (雅樹、ちょっと脚。どけてよ) (めぐむこそ! 俺のペニスに脚が当たっているよ!) へっ? 確かに、僕の脚に雅樹のペニスが当たっている。 しかも、ピクン、っとかすかに反応したような気がした。 (ちょっと! 雅樹、おっきくならないでよね! 電車なんだから!) (わかっているよ! めぐむこそ、勃起させるなよな!) (もちろん!) とは、言ったものの、感じないと言ったらウソになる。 雅樹の脚にグイグイと押される感じが、堪らない。 ああ、だめ。 そんなに押したら……。 はぁ、はぁ……。 雅樹の脚で抑えつけられて身動きが取れない僕のあそこ。 そして、なりふり構わずに押しこまれる。 僕のつぶれちゃうよ……。 痛い……でも、気持ちいい……。 はぁ、はぁ……。 電車はカーブなのか、僕の方へGがかかった。 ひっ……。 雅樹の脚が僕の柔らかい部分を押し上げる。 気持ちよくて、ムクムクと勃起してくるのがわかる。 もう、これ以上は我慢なんてできないよ……。 (雅樹……脚、はぁ、はぁ……押し付けないで) (めっ、めぐむの固くなってきてるんだけど……はぁ、はぁ) (雅樹もでしょ! はぁ、はぁ) (はぁ、はぁ……それにしても、揺れと振動が……うっ。やばい、気持ち良くなってきた) (雅樹、僕も……はぁ、はぁ、潰れちゃいそう……) (めぐむ、だめだ。俺いきそう……) (はぁ、はぁ、雅樹、ぼっ、僕も……) (だめ、いく……) (俺もだ……あっ、いく) 重ね合わせた二人のお股で、雅樹のビクンビクンという痙攣を感じながら、熱い物が噴き出していく……。 僕達は、次の駅で途中下車をした。 各駅停車の小さい駅。 僕達は、急いでトイレに向かうと、精子でグチュグチュになったパンツを穿き替えた。 「ははは。まさか、ここでプレゼントのパンツが役に立つとはな!」 「うっ、うん。本当にね。ふふふ」 僕達は、誰もいないホームのベンチに座った。 吐く息が白い。 「ねぇ、雅樹。静かだね」 「ああ。誰もいないな」 雪が線路を白く染めていく。 本降りになってきた。 「雪、積もりそうだよね」 「ああ。めぐむ、寒いか?」 「少し」 「待合スペースに行こう!」 「うん」 ホームの待合スペースは、暖房が効いていた。 ホッとする。 僕達はコートを脱いでベンチに腰掛けた。 「なぁ、めぐむ。今年ももう終わるな」 「そうだね。あっという間だった」 「そうだ、今年一番の思い出と、来年の抱負を言っていかないか?」 「あっ、面白そう! いいよ」 「じゃあ、めぐむから!」 「えー、僕?」 雅樹は、にっこりと頷く。 「僕の今年一番は、雅樹と付き合えた事!」 「ちょっと待って!」 「ん? どうしたの?」 「それだと俺も同じになっちゃうから、付き合ってからの一番で」 「うーん。分かった。それならね……」 一番は、雅樹とエッチした事、だけど……。 でも、それだと露骨すぎるよね。 「僕は、あじさい公園で雅樹とキスした事かな」 「ほうほう。あじさい公園かぁ。懐かしいなぁ。確かにいい思い出だよな」 「それで、来年の抱負だけど」 これは、ずっと考えている事がある。 それを宣言するのにいい機会。 「泣き虫を治す! これ、どう?」 「おぉー! 凄いな。でもさ、めぐむ。俺の前では無理して泣くの我慢しなくていいからな」 雅樹は、そういうと爽やかな笑顔で僕の頭をポンポン撫でる。 もう! そういう事するから、涙腺が緩んじゃうんだよ……。 「はい! じゃあ、次。雅樹の番!」 泣き虫が出る前に雅樹にバトンタッチ。 「よし、俺な。俺の今年一番は、」 「一番は?」 「めぐむとエッチした事かな」 「ぶっ!」 ストレートにキター! 「もう! 恥ずかしいなぁ」 「ははは。だって、しょうがないだろ?」 でも……良かった。 同じで。 それはそうと、言わなくて正解だった。 また、めぐむがエッチだ! とか言ってからかわれるところだった……。 「で、来年の抱負だけど」 「うん」 「新しい事にチャレンジしようと思っている」 「へぇ、チャレンジかぁ。何だろう?」 「今は秘密。でも、もう少ししたら報告できるかな」 「ふーん、楽しみ!」 そこで、構内アナウンスが入った。 「只今、雪のため電車が止まっております。お客様には大変ご迷惑をおかけしております。尚、復旧の見込みはたっておりません。お近くの交通機関をご利用ください……」 僕達は、顔を見合わせる。 「まじか。やばいなぁ……」 「どうしようっか? 雅樹」 「だから、電車も来ないし、人も居なかったのか……」 「そういう事だね」 困った事にはなったけど、イブの夜に雅樹と二人っきり。 ふふふ。 だから、実は嬉しくてワクワクしている。 「なぁ、めぐむ」 「なぁに?」 「こっちへ来いよ」 「うん」 僕が雅樹の横に移動すると、雅樹は僕の体を引き寄せた。 雅樹の優しい笑顔。 トクン……。 このままも時が止まっちゃえばいいのに。 どちらかともなく唇を合わせる。 チュッ。 ああ。 クリスマスに愛する人とキス。 なんて素敵なんだろう……。 「めぐむ、プレゼントのパンツ穿いているところ見たいな」 「はっ、恥ずかしいよ。こんなところで」 「平気だって。電車止まって誰も来ないから」 「で、でも……」 「なぁ、いいだろ?」 雅樹は、僕の首筋に鼻を押し付ける。 そして、ペロッと舐める。 体にゾクゾクッと電気が走る。 「あぁ、やめて……感じちゃうよ」 「めぐむのパンツ、見させてくれるまでやめない」 「はぁ、はぁ、意地悪!」 「ははは。じゃあ、いいよな?」 「うっ、うん。いいよ。でも、雅樹も見せてよね!」 「ああ、もちろん!」 脱ぎ捨てた二人のズボン。 僕は、恥ずかしくて前を手で隠す。 その僕の手首を無造作に剥がす雅樹。 ああ、恥ずかしい……。 ピンク柄のパンティーの前がこんもりと膨らむ……。 「うわぁ、エロい!」 「まっ、雅樹だって!」 「あはは、でも、凄い光景だな。下半身パンツ剥き出しの男二人が互いのを見せ合っているって」 「ふふふ。本当に……エッチだよね」 「めぐむ、俺の膝上に来いよ。キスしようぜ!」 「うん!」 雅樹のももを跨ぐようにちょこんと座った。 あったかい。 雅樹のもも。 僕は、雅樹の首に腕を回し、唇を重ねた。 んっ、んっ、んっ、ぷはっ。 「はぁ、はぁ、雅樹のあそこ、おっきくなってるよ」 「はぁ、はぁ、そりゃ、そうだよ。めぐむのも固くなっているぞ」 「バカ!」 僕達は、互いの唇をむさぼる。 舌を絡ませ、唾液が混ざり合い、口から吐息が漏れる。 ああ、キスだけど、体を絡めあっているみたい……。 体の芯がジンジンと疼いてきちゃう……。 「はぁ、はぁ、ねぇ雅樹……しよ?」 「ああ。めぐむ、そこに手をつけよ!」 「うん!」 僕は、ベンチに突っ伏してお尻を高く上げる。 あっ、そうだ。 今は、女性用のショーツを穿いているんだった。 きっと、お尻の丸味がはっきりとわかる。 はっ、はずかしい……。 「いい眺めだ……エロいぞ、めぐむ」 「やっ、やめてよ。そんな、言い方……」 「嬉しいくせに! ははは」 「もう!」 雅樹は僕のパンツをペロンとめくり、お尻を丸出しにさせる。 そして、そそり立つあそこを僕にアナルに押し当てた。 熱くて固い。 雅樹の体温が伝わる。 あったかい……。 嬉しくてヒクヒクさせる僕のアナル。 早くきて。 それに答えるように、雅樹のペニスは僕の中にゆっくりと挿入されていく……。 「あっ、あっ、雅樹……固くておっきい……」 「はぁ、はぁ、めぐむの中、きつい……気持ちいい」 徐々に、雅樹は、激しく腰を突きあげ、僕を攻める。 僕のアナルの中の気持ちいいところが、雅樹のペニスと合わさり擦れ合う。 まるで、キスするかのように……。 「雅樹、今日、激しいよ……僕、すぐに気持ち良くなっちゃう……」 「めぐむ。久しぶりだったから、俺も止まらないよ、はぁ、はぁ」 ああ、雅樹はこんなにも僕を喜ばそうとしてくれる。 僕は、喘ぎ声を漏らしながら、雅樹を体中で感じる。 これが幸せなんだ……。 「雅樹の、どんどん固くなってくる……ああ、僕の気持ちいいところに当たって切ないよ……」 「はぁ、はぁ、今日のめぐむ、堪らないよ……最高に気持ちいい」 ああ、僕と雅樹は、こうやって繋がって、身も心も一つになるんだ。 そして、僕達は、同じリズムで、これかも同じ時間を刻んでいく。 「雅樹、僕もう、いきそう……あっ、あん」 「めぐむ、俺もいきそうだ……めぐむの中にたくさん出したい、はぁ、はぁ」 これから起こる、楽しい事や嬉しい事。 それだけじゃない。 きっと、辛い事や悲しい事もあるんだ。 でも、雅樹を愛する僕と、僕を愛する雅樹となら、どんな事も乗り越えて行けると思う。 ねぇ、そうだよね。雅樹。 「雅樹、出して、僕の中に……雅樹の精液でいっぱい……僕の中を満たして、雅樹……」 「分かった、たくさん出すからな。めぐむ、でる、めぐむ……うぅ」 「あっ、あっ、雅樹……いっちゃう……」 「めぐむ、めぐむ、いくっ……」 雅樹、愛しています。 この聖なるクリスマスの夜。 神様に誓って。 僕の思いが、ちゃんと届きますように……。 僕は、お腹の中に熱い物が広がるのを感じながらそう祈っていた。

ともだちにシェアしよう!