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2-02-2 初夢(2)

叫び終えて、目を開けると、先ほどの小次郎の小屋の風景とは一転していた。 「あれ? ここは?」 小次郎と一緒に、武家屋敷のような建物の前にいた。 「ん? 怖気づいたのか?」 「えっと、なんでしたっけ?」 「おいおい。何を言っているんだ? お前の親の敵討ちだろ?」 「敵討ち?」 小次郎は、あきれ顔で僕の顔を見る。 なるほど。 親の敵討ちで、この屋敷に乗り込もうってことなのかも。 僕は話を合わせる。 「僕は怖気づいてなんてないよ! 小次郎こそ、大丈夫なの?」 「へへへ。まぁ、用心棒を引き受けたんだ。最後まで付き合ってやるよ」 「頼りにしているよ。小次郎!」 「ああ、お前も足手まといになるなよ!」 小次郎は刀を抜いた。 僕達は、武家屋敷の中をずかずかと乗り込んでいく。 「曲者!」 あちらこちらで声が上がる。 小次郎は、刀を振り続け、敵の侍たちをばっさ、ばっさ、と切り捨てていく。 「へぇ。小次郎は強いんだね」 「ははは。そんなの当たり前よ。さあ、いよいよ、そこの部屋が最後だ」 「うん」 襖をバサッと開く。 「何者だ!」 そこには、見るからに腕利きとおぼしき剣士が3人。 そして、人相の悪い家主が待ち構えていた。 きっと、この家主こそが親の仇なんだ。 「ん? なんだ、小娘。どこかで、見たような」 「僕のことを忘れたとはいわせないよ! 親の仇!」 「僕? お前、僕っ()か? まぁ、いい。者ども、用心棒ともども切り捨てよ!」 「はは!」 剣士たちは、僕達を取り囲む。 僕は、小次郎の後ろに隠れて、小刀を構えた。 「来るぞ。気を付けろ!」 「うん!」 キーン! キーン! 刀が弾ける音。 僕は、怖くて後ずさる。 3対1でも、小次郎が圧倒する。 剣士の一人が、肩で息をしながら、わめく。 「こっ、こいつできるぞ!」 「ははは。お前たちでは、わしには敵わないぞ! さぁ、どんどん参れ!」 「こしゃくな!」 剣士たちは、うぉー! と掛け声を上げながら小次郎に飛び掛かる。 しかし、小次郎は、赤子の手をひねるように、一人、また一人と倒していく。 3人の剣士達は、家主の前に倒れた。 小次郎は、声高々に言う。 「さぁ、いよいよ、お前だけだな!」 「くっ、くそ! 小癪な!」 家主は、震える剣先で構えていた。 が、いつの間にか、僕の後ろに回りこむと、僕の腕を取った。 「さぁ、こい!」 「いっ、痛っ!」 僕は、家主につかまり、小刀を落としてしまった。 家主に後ろから押さえつけられて、身動きが取れない。 「おい! これが目に入らねえか!」 「バカ野郎! なにやっているんだ!」 「ごめん、小次郎……」 「動くなよ! いいか、少しでも動けば、こいつの命はないぞ!」 「ちっ!」 小次郎は、立ち尽くす。 人質がいては手だしはできない。 「さてと……乳も無さそうな小娘だが、売り物になるか、ひとつ裸にひん剥いてやるかな……ヒヒヒ」 「やっ、止めて!」 「くっ!」 家主は、僕の胸元に手をスッといれる。 「ん? なんだ。ぺったんこだな。これじゃ、値はつかんな……」 家主は、そのまま僕の帯をほどきはじめる。 「おねがい……止めてください……」 「ふはは。まぁ、おっぱいはなくても、ロリコン趣向の変態どもには売り物になるからな」 「たっ、助けて……小次郎」 「おっと、動くなよ! 動くと、こいつの顔が傷物になるぞ! ヒヒヒ」 「くそっ!」 僕の帯が外され、着物がスッとはだけた。 そして、僕のペニスがあらわに……。 「なっ、チンコだとっ!」 「おい! 小娘! どうしてお前、チンコが付いているんだ!」 家主も小次郎も、驚きで唖然となる。 もう、こうなったら、開き直るしかない。 僕は、あらわになったペニスを突き出して叫んだ。 「じゃん! 僕は男なんだ! ははは。だから、僕に商品価値なんてないんだ! 参ったか!」 場がシーンと静まりかえる。 ふふふ。 これで、小次郎も、思う存分戦えるはず。 「なっ、お前……オトコの娘だったのか……」 小次郎は、目を見開き僕を見る。 「そうだよ、そんなに驚くことないじゃん。へへへ。小次郎が勝手に勘違いしただけだよ。さぁ、思う存分、戦ってよ!」 家主も、驚きの表情で僕を見つめていたが、突然嬉しそうに大笑いをした。 「ははは! これは思わぬ幸運。オトコの娘とはな! これは高値で売れるぞ。いや、この場でひとつ味見といくかな! ふははは」 家主はそう言うと、はだけた着物の後ろをパラっとめくり、僕のお尻を丸見えにした。 「えっ? どういうこと。僕、男だよ? やっ、やめてよ!」 「何を言っているんだ? オトコの娘は希少品だ。はぁ、はぁ、さて、どんな味がするか、興奮するわい」 家主は大きくなったペニスを取り出すと、僕のアナルに押し当てる。 アナルに熱いものが触れる感触。 「いっ、いや! やめて!」 「それ、入れるぞ!」 「助けて! 小次郎! 雅樹っ!」 ああ、もうだめ! そう思った瞬間……。 バタ! 大きな音がした。 えっ? 何が起こったの? 気が付いたら、ペニス剥き出しの家主が僕の傍らに倒れていた。 「ふぅ。無事か? 小娘」 小次郎が一瞬の隙を見計らって、家主を倒したんだ。 「うっ、うん。大丈夫……」 良かった。本当に危なかった。 僕は、ホッと一息ついた。 小次郎は、僕の方に歩みよる。 「ありがとう! 小次郎!」 僕は、小次郎に抱き着く。 小次郎は、僕をギュッと抱きしめた。 「なぁ、小娘。これで、敵討ちは済んだんだよな?」 「うっ。うん。ありがとう、小次郎」 「いっ、いや。いいんだ。でな、ちょっと、言いにくいんだが……」 「うん」 「俺は、オトコの娘が大好物なんだ! ははは。報酬として抱かせろよ! いいよな!」 「へっ?」 小次郎は、そう言うと、おっきく、固くなったペニスを突き出して僕に迫る。 「ちょ、ちょっと! 小次郎、やめてよ! 僕の事、興味ないっていっていたじゃん!」 「何、言ってやがる! お前こそ、隠していたじゃないか? オトコの娘だって!」 「えっ……そっ、そんな」 「さぁ、さぁ。ほら、ケツだせよ! はぁ、はぁ」 「ちょっと、やだよ……」 僕は、咄嗟に小次郎の手を振り解き、畳みに突っ伏した。 四つん這いになって、逃げ回る。 でも、小次郎に足首を掴まれてしまった。 「捕まえた! ん? 綺麗なアナルしてやがるぜ! へへへ。うまそっ!」 小次郎は、僕のアナルをペロリと舐めた。 「あっ、ああん。だめ……」 「じゃ、俺のチンコをぶち込むからな! いただきます!」 「そっ、そんな……入れないで……あぁあん」 いつもの雅樹のペニス。 熱くて、固い。 それが、僕のアナルをこじ開ける。 アナルが広がり、ペニスがずずっと入ってくる……。 ああ、口では拒んでいるけど、体は望んでいる。 雅樹のペニスが欲しいって。 愛の営みが始まる。 二人の興奮した息使いと、着物と畳が擦れる音。 激しく、時には優しく。 汗が肢体から流れ落ちる。 一定のリズムを刻みながら、体が絡み合い、手を繋ぎ、そして甘美なまでの口づけを交わす。 「うっ、すごい! 気持ちいいぞ! はぁ、はぁ、堪らねぇ」 「あっ、あっ、きっ、気持ちいい、僕も、気持ちいいよ」 僕のペニスの先からは、エッチなおつゆが糸を引いて垂れる。 「雅樹、雅樹、もう、だめっ……」 いきそう……。 その時、おかしなことが起きた。 顔の上に、大きな毛玉が乗っかったのだ。 「ぶっ! 苦しい!」 何事かと思って、起き上がる。 「あれ? ここはどこだ?」 僕の部屋だ。 目の前には、シロ。 僕の顔を見て何か言いたそうにしている。 「にゃ、にゃあ、にゃ!」 「えっ? 雅樹、雅樹、うるさいって?」 そっか。夢か……。 僕は、夢をみていたのか。 それにしても、時代劇とは。 親の敵討ちね……。 そっか、大晦日に家族で見た時代劇ドラマに影響されたんだ。 「ふふふ。でも、面白かったなぁ。いい夢だった」 「にゃー!」 「うるさくて良く寝れなかった、って? ごめん、ごめん、シロ」 「にゃー」 「わかった。もう、帰るんだね。今日は、来てくれてありがとう。今年もよろしくね! シロ!」 「にゃー」 窓ガラスを開けると、シロは振り返りもせずに、すっと消えていった。 「ふあーあ」 僕は、両腕を高く上げて大あくびをした。 「ああぁ。もしかして、今のって初夢だったんじゃない? でも、年始そうそう、雅樹とエッチとは幸先いいなぁ。うふふ」 時計の針を見ると、もうすぐで両親が帰ってくる時刻。 さてと……。 僕は、こたつから出ると、おもむろに、ズボンとパンツを脱いだ。 「エッチな夢のせいで、半立ちになっちゃったもんね! 続きは、雅樹の笑顔を想像してやろう。うん、今年最初の一人エッチも雅樹だからね!」 スマホを取り出すと、お気に入りの雅樹の笑顔を探した。 「これこれ! 雅樹、愛しているよ!」 僕は、自分ペニスを握りながら、スマホの画面にキスをした。

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