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2-07 図書室での出来事

春はそこまで来ている。 暖かい日が多くなった。 これなら、桜の開花も進みそうだ。 そんなぽかぽか陽気のある日。 僕は、図書室のカウンタでぼんやりとしていた。 図書委員の当番の日。 今日の担当は、カウンターで本の貸出の受付だ。 春休み期間だけあって、本を借りる人はなく、数人、本を返却しに来ただけだった。 特に仕事がないときは、読書をしてもいい決まりになっている。 でも、なんか無気力。 僕は椅子に座り、肩ひじをたてて、ぼぉと宙を眺めていた。 今日も何事もなく終わる。 時計をみた。 もうすぐ閉める時間だな、と思ったとき、目の前に雅樹の顔があった。 僕は、はっとして目を見開く。 「めぐむ、ぼんやりしているぞ。仕事中だろ、いいのか?」 雅樹は笑っている。 夢? いや、本物だ。 どうして、急に? いや、そんな事はどうでもいい。 いま、ここの雅樹がいる。 それだけでいい。 でも、寂しがっている自分は見せたくない。 僕の寂しい気持ちが雅樹に知れてしまったら、雅樹を心配させてしまう。 せっかく頑張っている雅樹に水を差してしまう。 僕はできるだけ平静を装い、 「もう、閉めるよ!」 と言った。 雅樹は僕の態度を意外に思ったのか、 「なんだよ、めぐむ。久しぶりなのにつれないな。せっかく来たのに!」 と言って不満そうに僕を見た。 僕は、嬉しい気持ちを見せないように、 「そう?」 と澄まして言う。 突然、雅樹は、カウンターを回り込んで、僕のうしろから抱き着いた。 「俺は我慢できないぞ!」 「雅樹、やめてよ! 急に」 嬉しい。 雅樹に触れられるのっていつ以来だろう。 僕の体に回した雅樹の腕をさわる。 雅樹の息が首元にかかる。 あぁ。 雅樹、もっと。お願い。 雅樹は耳たぶを優しく噛む。 ビクっと身体が反応する。 「あぁ、だめ……」 いや、だめじゃない。 もっと……。 僕は弱いんだ、耳たぶ。 だから、もっと攻めて……。 気持ちいいよ……とっても感じる……。 でも声が出そうなのを我慢する。 「めぐむ、好きだよ……」 耳元で囁く。 甘く低い声。 胸がトクンと高鳴る。 「いま仕事中。だめだよ……」 体は自然と雅樹に寄り添う。 「大丈夫、ここには誰もいない。確かめたから」 雅樹はキスをして僕の口を封じる。 舌を僕に口に入れてくる。 僕は言葉とは裏腹に、舌を受け入れて絡ませる。 んん、んっ、んっ。 唾液がいやらしい音を鳴らす。 とろけるようなキス。 はぁ、はぁ。 吐息が漏れる。 もっと、していたい。 でも……。 甘えたい感情と、抑えようとする理性がせめぎ合う。 雅樹の頑張っている姿を思い浮かべる。 いつか、ファミレスの窓から見た雅樹……。 うん。 大丈夫。 僕は雅樹を応援するんだ。 僕は唇を離す。 「だめだよ、雅樹。これ以上は誰かに見つかっちゃうよ!」 甘えた声になってしまわないように、精いっぱい気をはる。 「しょうがない。わかったよ」 雅樹はカウンターの中に潜った。 「ここなら見つからないだろ?」 雅樹は、僕の制服のズボンのチャックを開ける。 そして、僕のペニスを取り出した。 あぁ、こんなところで……。 「雅樹、だめ……」 「こっちはそうは言っていないぞ、めぐむ」 「そっ、そんな事……ないよ…あん」 「こんなに固くなっているじゃないか」 「だっ、だめ……そんな触り方」 雅樹は、僕のペニスを無造作に握ると、ぱくっと咥えた。 そして、いやらしい音を立てて舐め始めた。 あぁ、雅樹が。 雅樹がぼくのを舐めるなんて。 「雅樹、そんな、いいよ、僕のなんて。あっ、あっ、あーっ!」 「気持ちいいくせに、我慢すんなよ!」 れろれろと舌で先端の部分を舐める。 あぁ。体がビクっと反応する。 「ん? ここがいいのか?」 雅樹はそう言うと、ぎゅっと付け根部分を握りしめ、先ほどと同じおしっこの出口のところを執拗に攻める。 あぁ、気持ちいい。 身体がビクンビクンと反応し、痙攣し始める。 「あ、あん、あぁ、イキそう。だめ、だめ!」 突然、入り口の扉が開いた。 担当の先生だ。 「青山君、もう時間になるから、閉めていいわよ。鍵は職員室に届けておいて」 先生はそれだけ言うと、そのまま出て行った。 僕は、かろうじて、「はい」と答えたが、すでに射精していた。 雅樹は、カウンターの影からスッと出てくると、身なりを整えながら言った。 「めぐむの恥ずかしがる姿が見られてよかった。ははは」 「もう、意地悪!」 僕は雅樹を睨む。 雅樹は、 「それじゃ、先に帰るな」 と言って出口へ向かった。 えっ。 もう、いっちゃうの? そんな……。 次はいつ会える? だめだよ。まだ。 いかないで……。 僕は無言のまま、必死に雅樹を呼び止めようとした。 僕は、寂しいんだ。 本当は、寂しいんだ。 その瞬間。 頭の中でなにか、プチンと糸のようなものが切れるような音がした。 いや、スイッチがパチっと入ったのかもしれない。 僕ではない違う僕が、 「まかせて!」 と言ったような気がした。 僕は、すくっと立ち上がり、さっと出口の扉へ向かうと、出ようとする雅樹を制して内側から鍵をかけた。 「めぐむ、急にどうしたんだ?」 雅樹はいつもの僕と違う雰囲気に気づいたようだ。 僕は雅樹に甘えるような声を出していた。 「ねぇ、雅樹。ペニス出してよ。今すぐ」 「どうしたんだ? めぐむ。目が座っているぞ」 「ほら、いいから、僕にしゃぶらせて。ほら、はやく!」 雅樹はあっけに取られていた。 しかし、素直に僕の言うことをきいたほうがよいと判断したのだろう。 僕の言うがままにズボンとパンツを下した。 あぁ、雅樹のペニス……。 僕は雅樹の前にしゃがむと、先っちょにキスをした。 「ペニス君。大好き。気持ちよくしてあげる」 そう言うと、ぴちゃぴちゃ舐め始めた。 柔らかい部分を優しくも揉みながら、舌を先から竿へそして根元へ這わす。 「ほら、大きくなってきた。気持ちいいんでしょ?」 そして、今度は口に含みながら、ちゅぱちゅぱ、音をたてて吸った。 「見て、カチカチになってきたよ。ふふふ」 僕は雅樹のペニスを愛おしくうっとりと眺めた。 「はぁ、はぁ、今日のめぐむはエロいな。いったいどうしたんだ?」 雅樹は息を荒くして、耐えている。 今度は、僕は自分でズボンとパンツを脱ぎ、お尻をむき出しにして突き上げた。 「見てよ雅樹。僕のアナル。雅樹のを欲しい欲しいって、こんなにヒクヒクさせてるよ」 自分の手をペロリと艶めかしく舐めると、お尻の穴を湿らせた。 雅樹は、たじろいでいるようだった。 「はら、早くそのおっきく硬くなったのを僕のいやらしいアナルに入れて。ねぇ、はやく」 僕はそう雅樹をせかすと、手を後ろに回し、雅樹のペニスをぎゅっと握る。 「ほら、こっち。ここ」 そして、そのままアナルにいざなう。 雅樹は、 「めぐむ、わかったよ」 と言うと、両手で僕の腰をぐっと抑え、アナルにペニスに押し当てた。 そして、ずずっと奥まで挿入した。 「あぁ、あっー!」 喘ぎ声がでる。 圧迫される。切ない。切ないよ。 「雅樹、突き上げて、激しく、激しく!」 雅樹は、僕の言われるがままに激しくピストン運動を始めた。 「あん、あぁん、激しい、激しいよ……」 下半身が熱くなる。 だんだんと全身に快感が広がる。 お尻の中の敏感なところが刺激され、ペニスの先からはおつゆがとめどなくでてくる。 「はぁ、はぁ。めぐむの中、気持ちいい……俺、いきそうだ」 「雅樹、僕もうだめ……いきそう。あっ、あっ、だめ、だめ。あっー!」 頭が真っ白になり、お尻の穴がきゅっとしまるのが分かった。 雅樹は、うっと唸ると、そのまま僕の中に精子を吐き出した。 どっくんどっくんと雅樹のが脈打つのを感じる。 雅樹が僕の中で気持ちよくなったんだ。 よかった。 雅樹も気持ちよくなってくれた。 お腹の中がじわっと熱くなる。 雅樹の精液。 ああ、これが愛なんだ……。 なんて、あったかくて心地いいんだ。 僕達は、しばらく繋がったまま、息を整えた。 そして、雅樹のペニスが抜かれると、いっしょにどろっとしたものが滴り落ちた。 こんなにたくさん……。 僕に愛を注いでくれた。 そして、ふっと頭の中でスイッチが切れた。 違う僕が 「どうだった? よかったでしょ?」 といった気がした……。 僕は、少し気を失ったかもしれない。 気が付くと、雅樹に抱きかかえられていた。 「気が付いたか? めぐむ」 雅樹と目が合う。 「なぁ、めぐむ。今日のお前は、その、なんかいつもと違っていたけど?」 心配そうに僕を見る。 「大丈夫か?」 「たぶん……大丈夫……」 「寂しかっただけ……」 口から溢れ出た。 あっ、と思って口を抑える。 ああ、言ってしまった……。 ずっと言わなかったこと。 ずっと言えなかったこと。 応援するっていったのに。 約束したのに。 破ってしまった……。 あぁ、僕は何て弱いんだ。 涙が出てきた。 「ごめんね、雅樹。本当にごめんね」 「そっか、俺こそごめんな。めぐむに寂しい思いをさせて……」 雅樹はそう言うと、僕の頭を撫でた。 それから僕は雅樹の胸で声を上げて泣いた。 あぁ、僕は最近、泣いてばかりだ。

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