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2-12-2 三角関係(2)
僕と雅樹は、座りながらのエッチ。
雅樹は、激しくを腰を突き上げ、僕はその度に体が持ち上がる。
僕はふり落とされないように雅樹の体に腕を巻き付ける。
「はぁ、はぁ、やべぇ、気持ちいい。めぐむの中」
「あっ、あっ。雅樹、激しいよ。あっ、あっ」
僕は気持ちよくて喘ぐ。
そこへ、森田君がずかずかやってくる。
「なぁ、雅樹。早く代わってくれよ」
「まぁ、まぁ、翔馬。焦るなって。ちょっと待ってろよ。うぅ気持ちいい、はぁ、はぁ」
「くそっ」
「あっ、あっ、もうちょっと待ってよ。森田君。僕もいきそうだから」
「ちぇっ、二人とも気持ちよくなりやがって!」
怒る森田君。
でも、森田君はピンっと何かを閃く。
「よし、俺も入れさせろ!」
「へっ?」
僕と雅樹は、驚いて動きを止める。
「おいおい。待てって! 流石に2本は無理だろ?」
「いや、やってみないとわからないぞ!」
森田君は、僕の後ろに回り、すでに雅樹のが入っている僕のアナルにあそこを押し当ててくる。
そして、こじ開けるように、ギューギューさせる。
「おい、翔馬! お前の、俺のに当てっているって……それにしても、固えな。お前の」
「ああ。だから無理やりで入るだろう?」
「なるほどな」
森田君は、尚も、強引に押し付けてくる。
やがて、すこしの隙間に森田君の先っちょが引っかかった。
「よし! いける!」
「あっ、だめ! 無理だよ。お尻の穴裂けちゃうよ!」
「よっと!」
ずぶずぶずぶ!
「あーっ!」
僕は、思わず叫ぶ。
森田君は、汗をぬぐいながら、言った。
「な? 入っただろ? でも、きっつっ。締め付けられて気持ちいい!」
「やべぇ、めぐむの中で翔馬のと密着して変な感じだ……」
「そうだな。なんか、雅樹ともエッチしてる錯覚をおこすよ。お前のビクンビクンと脈うつのが伝わって来るぜ」
「だな! これ。最高じゃない?」
「おう。これこそ真の3Pだな!」
はぁ、はぁ。
3Pだなんて……氷室先輩じゃないんだから……。
でも。
二本の太いものが僕の中で交わり擦れ合う……片桐先生が言っていたのは、こういうことだったのか。
「さあ、動くぞ!」
「オッケー!」
あっ。だめ、このまま動いたら、あっ、お願い、やめて! 裂けちゃうよ!
「いくときはみんな一緒な!」
「おう!」
「やっ、やめて! 裂けちゃうっー!」
ポン!
あれ? 何か頭にあたったぞ?
「青山! なにが、裂けるんだ?」
目の前には片桐先生の顔。
僕は教本で頭を叩かれたのだ。
僕は、ハッとして、思わず席を立ちあがった。
「すっ、すみません!」
教室はどっと、笑い声が上がった。
しっ、しまった。
また、妄想しちゃってたんだ……。
恥ずかしくて赤面。
ふと、雅樹と目が合う。
にやにやしながら僕を見つめる。
もう! 雅樹! くやしい!
僕の妄想の中身を知っているかのような顔つきだ。
「たるんでいるぞ! 青山」
「はい……」
「まぁいい、席に座れ」
僕は、しょぼんと席に座ると、片桐先生はやさしく僕の頭をポンポンと撫でてくれた。
「あまり気にするな……誰にでも疲れているときはあるから」
森田君も、他のクラスメイトと同じようにニコニコしながらこちらを見ている。
はぁ。
恥ずかしくて、目を合わせられない。
そこへ、隣の席のジュンが話しかけてきた。
「めぐむ、ずるい! どうして、めぐむが先生に頭を撫でられているのさ!」
「へっ?」
「怒られて頭を撫でられるなんて! よし、僕も今度怒られるような事してみようかな?」
「ぶっ!」
真面目にそう言うジュンに思わず吹いてしまった。
それにしても……。
これは一大事だ。
おっきいのが2本だなんて、本当に裂けちゃったら大変。
……いやいや、そこじゃない。
僕は、雅樹以外とは誰とも付き合う気はないんだ。
よし!
雅樹は、「待ってて」って言ってたけど、先手を打って森田君に僕は付き合えないって言おう!
もう、これしかない!
僕は、お昼休み、森田君と二人きりの時を見計らって声を掛けた。
「ちょっと、森田君いい? 話があるんだけど」
森田君は、最初、何だ? と不思議そうな顔をしたけど、ああ、っと分かったような顔をした。
やっぱり、僕が告白の先手を打ったことを感づいているんだ……。
僕は森田君を引き連れて中庭の花壇の所までやってきた。
「えっと、青山。その……あの事でいいんだよな?」
「うん。そう。あの事」
よし。
相手もわかっているなら話は早い。
僕は、ふうっと大きく息を吐き出し、話を切り出した。
「森田君。いい、まず人を好きになる。愛するって事は人として大事だと思うんだ」
「うん、確かにな」
森田君は大きく頷く。
「でも、好きな相手が既に幸せだったら、やっぱり諦めるべきって僕は思うんだ」
「うーん」
やはり、同意は得られないか……。
簡単には諦められないってことだよね。
「いや、言い方を変えると、諦める必要はないんだ。ぐっと、我慢するってことかな」
「うーん。そこがよくわからないんだよ。そのニュアンス?」
あれ? 分かりくにい?
ちょっと遠回りに言い過ぎたかな。
よし!
ここはズバッといくか。
「あのね。例えば僕はいまとっても幸せ……とするよ」
「ほうほう」
「そこで、森田君が僕に告白をしたとする。好きって」
「うんうん」
「でも、僕の答えは、ごめんなさい。ってなる」
「なるほどな。確かに」
うんうん!
森田君はわかってくれそう。
あと一息。
「だから、この場合、好きな人の幸せを祈ることが本当の愛だと思う」
「本当の愛……か」
「そう、本当の愛。そうすれば、きっと別の意味で本当の幸せが訪れる。そう思うんだ」
森田君は、指をパチっと鳴らした。
「なるほど! さすが青山だ。よくわかったよ。俺が間違っていたよ」
「えっ? うっ、うん」
森田君の突然の言葉に、僕は逆にたじろぐ。
「そっか、別の幸せが訪れる……そういうことか。ありがとう! さすが青山だ。納得したよ!」
「納得できた? わっ、分かってくれればいいんだ」
「よし、これでようやく次にいけるよ。じゃあな、青山!」
「じゃ、じゃあね……森田君」
森田君は、こころのつかえが取れたのか、足取り軽く去っていった。
ふぅ。
じゃあね、って、ずいぶん爽やかな別れだけど……まぁ、清々しくていいか。
でも、次にいくって……森田君もずいぶんとプレイボーイなんだな。
まぁ、さっぱりしていて男らしいといえば男らしいか。
あれから、しばらく経ったある日。
学校帰りのプチデート。
いつもの、ショッピングモールの、いつものフードコート。
いつものように、楽しくおしゃべりをしていた。
雅樹が言った。
「ああ、めぐむ。この間の翔馬の件な」
「うん」
そうだ。森田君を振ったこと、雅樹に報告するのすっかり忘れていた。
「めぐむ、翔馬に話、したんだってな」
「うっ、うん。急に思い立って。ごめん。雅樹に言うの忘れていたよ」
「ああ、いいって。それより、翔馬、めぐむに感謝していたぞ。やっと、次に行けるって」
「へぇ。そうなんだ。よかった」
そうだよね。
ずっと、引きずって、次の恋に行けないなんて可哀そうだもんね。
でも、感謝って言われると、心が痛む。
ごめんね、森田君。
いいよって言えなくて。
いきなり振るのって、ちょっと、可哀そうな気がしたけど、結果オーライだよね。
雅樹は、突然、まったく違う話をしてきた。
「なんてタイトルだっけ? そうそう、『慎太郎と竜馬の恋物語』な」
「えっ? 何を突然?」
「あれ、違ったか? 慎太郎が竜馬に告白できずに一緒に暗殺されるやつ。死んでようやく結ばれる愛。あれ? めぐむもその小説読んでいたって言ってたよね?」
「うん。確かに読んでいたけど……あれ? 一体、何の話をしているの?」
「だからさ、翔馬もその小説を読んでいたらしいんだけど、どうして生前に慎太郎は竜馬に告白をしなかったのか、ずっと理解できずに悩んいたらしいよ。気になって次の本に行けない、って。そんな時、めぐむも同じ小説を読んでいることを知って、解説してもらおうってタイミングを見計らっていたらしい」
「へっ?」
「ほら、めぐむって図書委員だろ? だから、めぐむなら適任って思ったんだろうな」
「あれ?」
「そうしたら、めぐむの方からわざわざ解説してくれたんで、嬉しかったってさ」
「えっと、えっと。ちょっと待って! 頭を整理させて」
つまり、森田君は、小説の解説をしてほしくて、僕の方を見ていた。
別に僕の事を好きだったわけじゃない……。
ああ、なんてことだ。
告白されていないのに、振った気になっていたんて。
僕はどれだけ、勘違いの自意識過剰なんだ……。
恥ずかしさで体が熱くなってくる。
あーもう! 恥ずかしい!
「あれ? どうして、めぐむ、顔を真っ赤にしているんだ?」
「えっ? もう! いいでしょ! はぁ、はぁ」
「へんなの……」
雅樹は、両手を広げ、肩をすぼめた。
それにしても、僕は、なんて森田君に言ったんだっけ。
『好きな人の幸せを祈る』
『そうすると、別の意味で幸せが訪れる』
だっけ?
確かに、『慎太郎と竜馬の恋物語』では、慎太郎が竜馬とおりょうの幸せを祈りつつ、恋心を必死に抑え、死んでから魂で結ばれる。竜馬と同じお墓に入って。
そんなストーリーだった。
あれ?
僕のコメントって結構いい線行ってない?
偶然にも、当たっている……。
森田君が納得してくれたし、結果オーライだよね。うん。
雅樹が言った。
「そういえば、言い忘れていたけど、翔馬って、ああ見えて結構読書家なんだよ。歴史小説専門っていっていたかな? たぶん、めぐむと話が合うと思うんだよな。ははは」
「ちょっと! 雅樹! それ、早くいってよ!」
「えっ? 何怒っているんだ? えっ、えーっ?」
僕は、頬を膨らませて雅樹を睨む。
でも、そっか。
森田君も本が好きなんだ。
しかも、僕もお気に入りの『慎太郎と竜馬の恋物語』を読んでいたなんて。
なかなか通だよね。
今度、話掛けてみようかな。お友達になりませんか?って。ふふふ。
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