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2-13-2 カラオケにて(2)

僕は、雅樹の肩に寄りかかり、すっかり夢見ごこち。 気分がいい。 カラオケは置いておいて、このままずっとこうしていたい。 「ねぇ、雅樹。僕の可愛いとこってどんなとこ?」 ちょっと恥ずかしいけど口に出す。 「そうだな、まず笑ったところは、可愛くてぐっとくるな」 「ほんと?」 僕は嬉しくて笑みがこぼれる。 「それから、それから?」 「そうだな。ちょっとした仕草とかもな」 「どんな?」 「たとえば、髪の毛を触ったり、足を組んだり、腕を上げて伸びをしたり。挙げたらきりがない」 「うんうん。嬉しい」 心地よい言葉の数々。 あぁ、本当はもっと早くに聞けたんだ。惜しかったな。 でも、これからは、ずっと、この心地よい言葉を聴けるんだ。 幸せ。 「でも、一番、可愛いのはやっぱり、あれだな」 「え? なになに?」 「それはね……」 雅樹は、勿体ぶっている。 ははん。 これは、いつものやつだな。 僕は、先回りして言う。 「それって、僕がいやらしい事を考えている時、って言うんじゃない?」 「へ?」 ほら、大当たり。 雅樹は、驚いた顔をしている。 「いや、違う。エッチで気持ちよくなっている表情って言おうとしたんだけど……」 「ぶっ! もう雅樹!」 僕は、口をふらませて睨みつける。 雅樹は、ハッとして、悪い事を言ったかな? という表情をした。 「ごめん、いや、でも、マジだから」 「まったくもう!」 冗談じゃないとすると、もっと恥ずかしいじゃん! 「まぁ、でも」 「ん?」 「安心しろ! いやらしい事を考えているめぐむも十分可愛いから!」 悪戯っ子の表情ではにかむ雅樹。 手はグッジョブをしている。 「なっ……」 言い返そうとしてやめた。 雅樹の幸せそうな満面の笑みを見たら怒る気が失せた。 「ハイハイ、そうですね!」 こっちの方がいつも通りでいっか。 ふふふ。 そこへ突然、雅樹がいった。 「なぁ、めぐむ。それでな。ちょっと問題があるんだ」 「へ? どうしたの?」 「俺の股間を見てみて」 僕は、すぐさま雅樹の股間を見る。 ズボンの前が盛り上がって、ものすごく突っ張っている。 「えっ? どうして……」 これまで甘くてとってもいい雰囲気だったけど、エッチな要素は特になかったはず。 いくらなんでも、甘い会話だけで、雅樹が興奮するなんて変だ。 「いや、きっと、我慢していたストレスから解放されたからかな」 「え? どういうこと?」 「気がついてない? 付き合い始めてこの1年間ずっと『可愛い』って言うの我慢してきたんだ。きっと、『可愛い』って口にした途端、風船が割れるように体が勝手に反応した。きっとそう」 そういわれてみれば、『可愛い』って言われた記憶が無い。 本当に一度も言われたことがない気がする。 「一年間ずっと我慢ってすごいね……」 「どうだ、すごいだろう。ははは」 「確かにすごい……」 そうか。 ずっと、雅樹に我慢させちゃってたんだね。 これは、僕が気が付いてあげるべきだったことだ。 ふぅ。 僕は、ため息を一つついた。 「ねぇ、雅樹。僕にも原因があると言う。だから、僕がフェラしてあげるね。いい?」 「めっ、めぐむ。それはまずいよ。カラオケって、店員さんに見られているんだぜ」 雅樹は、天井に付いたカメラに視線を移しながら言った。 「うん。だから、カメラに映らないようにしてさ」 「でも……」 「だって、これは、『可愛いっていえなかった病』の治療行為。緊急事態なんだから!」 雅樹はカメラを背にして、僕はその影に隠れるようにしゃがんだ。 雅樹のズボンのベルトを緩め、そして、パンツを下ろす。 でも、大きくなったペニスが引っかかって下ろせない。 「ちょっと、めぐむ、痛いよ。優しく頼むよ」 「ごめん」 僕は優しくそっと、パンツを脱がした。 すると固くなった雅樹のペニスが現れた。 おっきい。 これでは、ズボンのなかで窮屈で、さぞ痛かっただろう。 僕は、ペニスにチュっと軽くキスをすると、 「よく我慢したね。ペニス君。一年間、ごめんね」 とささやいた。 そして、両手で包み込むと、しごき始めた。 僕は、舌を伸ばし、ペニスの裏の方から、先端部分を舐める。 先っちょのところは、念入りにれろれろと舌を這わす。 「うぅ、気持ちいいよ、めぐむ。はぁ、はぁ」 まだまだ、これからだから。 僕はアキさんにされたフェラのことを思い出していた。 一生懸命にやって雅樹を喜ばせるんだ。 よし! 竿の部分に移る。 横からはむっと咥えると、たくさん唾液を出し、舌を使って左右に動かす。 それが終わると、付け根を抑えていた手を柔らかい部分に移し、優しく揉み上げる。 「めぐむ、ちょっと、いつもと違う。あっ、そこっ、いいっ」 僕が見上げると雅樹と目が合った。 「はぁ、はぁ、めぐむ、最高に気持ちいいよ……」 あぁ、僕も、ちょっと興奮しているかも。 僕の愛撫にこんなに反応してくれるのが嬉しいんだ。 きっと、目が潤んでエッチな顔になっちゃっている……。 そして、唇を先端方向に這わせ、竿と先端部分の境目をいやらしく、舌をだして舐め始めた。 雅樹は、時折、ビクン、ビクンと体を震わせる。 その周期がだんだん短くなる。 そろそろ頃合い。 僕はいよいよ、口を開けて先端の方から、はふっと咥えた。 そして、口のなかで先端を舐めまわしながら、ゆっくりと頭を上下に動かし始めた。 雅樹のペニスがビクビク細かく痙攣を始める。 あれ、いつもよりちょっと早いかも。 「あっ、めぐむ、だめだ。もういくっ!」 僕は、あわてて、受け止めるためにお口で先端部分を包み込む。 うっ、という雅樹の呻き声とともに、どろっとした液体が口を満たした。 あふれんばかりの量。 口の端から漏れ出るのを手で抑えた。 「雅樹、たくさん出たね」 僕は、口を拭いながら言った。 アキさんなら、もっと早くにいかせちゃうんだろうな……。 「ふぅ、ありがとう」 雅樹は、すっきりした顔をしている。 「それにしても、めぐむ。フェラしているときの顔、とてもエロくて可愛かったぞ」 「ありがとう。え? 今、『可愛い』って言った?」 僕と雅樹は一斉に、雅樹のペニスを見る。 いったあとのペニス。 頭をもたげて、萎えたままだ。 大丈夫そう。 僕と雅樹は目を見合わせて、ホッと安堵の息をつく。 「よかった、大きくなってない。治療成功だね!」 僕はそう言うと、自分で言って、おかしくて笑った。 と、思ったのもつかの間。 また、目の前でムクムクと大きくなり始める。 「あれ? どうして?」 驚いた僕に、雅樹は照れながら言った。 「めぐむ、これはさ。普通にエッチな気分になったからなんだよ。へへへ」 「ぶっ! いま、出したばっかりなのに?」 「そうそう。実は、今のめぐむのエロ可愛い表情とさ、さっきのめぐむのダンスと歌を思い出したら、ついな」 「もう! 雅樹はエッチなんだ!」 雅樹は、開き直って言った。 「ああ、俺は、エッチだ。めぐむとエッチしたくて、したくてたまらない」 「でも、いくらなんでも、ここじゃ……」 僕は部屋を見回す。 ソファだってカメラの視野の範囲だろう。 「なぁ、めぐむ。そこの壁に手を付けなよ。そこはカメラの死角じゃないか?」 僕は、壁に手を付いた。 そして、雅樹は背中から僕を抑え込むように抱き着く。 ピッタリと体が密着する。 はぁ、はぁ、と雅樹の荒い息が耳にかかる。 雅樹は、すごく興奮しているんだ。 なんだか、僕も興奮してくる。 背中に雅樹の固くなったあそこが当たる。 同時に僕のペニスがムクムクと固くなって来た。 でも、僕のペニスは壁に抑えつけられ自由におっきくなる事が出来ず行き場を失う。 雅樹は、スカートに手を入れて、ショーツ越しに僕のお尻を揉み始めた。 「ああ、めぐむのお尻、いい揉みごこち。最高だよ。はぁ、はぁ」 そして、ショーツをお尻の割れ目に寄せて食い込ませる。 雅樹の手が直にお尻に触れる。 「あっ、ああ、そんな風にお尻揉まないでよ。あん、あん」 雅樹は、しばらく僕のお尻を堪能し、そのままショーツはスッと、下ろした。 丸見えの僕のお尻。 雅樹は、ちょんとアナルに触れた。 僕は、ビクッと体を震わす。 「めぐむ、アナル、ひくひくしてるじゃないか?」 「うそ、そんなことないよ。あ、あっ、指いれちゃだめ」 指が入ってくる感覚。 お尻の中の気持ちのいい所が刺激をうける。 「あっ、あん、そこ気持ちいい……」 脚の力が抜ける。 崩れ落ちないように雅樹はすっと支えた。 「ほら、めぐむ、ちゃんと壁にくっついていて。カメラに写っちゃうよ」 雅樹は、耳もとでささやく。 そして、執拗に僕の体を後ろから押し付ける。 固いものが僕の背中にグイグイ当たる。 一方、僕のペニスは、おっきくなることが許され無いまま壁に押し付けられる。 あぁ、でも……。 柔らかいままだけど、敏感なところが壁に擦れて気持ちいい。 次第にその気持ちいい刺激も麻痺してきて、ペニスが付いているって感覚が薄れてきた。 あれ、僕のペニス、取れちゃったの? ああ、本当に女の子になっちゃったよう……。 そうしているうちに、アナルから指が抜かれ、代わりに熱いものが当たった。 ああ、いよいよ。 早くきて、もう、僕、アナルでしか感じない体になっちゃったから……。 「はぁ、はぁ、めぐむ、力を抜いて」 「うん、あっ、熱いのが、くっ、くるーっ!」 ズズっと、雅樹の固くて熱いものが僕の中に入って来た。 奥まで一直線に、僕のお尻の中にすっぽりと入った。 思わず声がでる。 「ああぁ、雅樹、おっきい、おっきいよ」 「めぐむ、めぐむ、可愛いよ、俺のめぐむ、はぁ、はぁ」 雅樹のピストン運動が始まる。 最初はゆっくり、そして、徐々に強く、早くなる。 下半身が徐々に熱くなり、ビクン、ビクンと痙攣してくる。 足に力が入らない。 でも、僕の中の奥にまで入った雅樹のあそこに支えられて、辛うじて立っていられている。 「あっ、あっ、あん、雅樹のおっきい、おっきい、あーっ」 「めっ、めぐむ、そんな声をだしちゃ外にもれるよ」 雅樹は、僕の口を手で抑えて塞ぐ。 うう、うっ、うっ。 塞がれた手の隙間から呻き声が漏れる。 「はぁ、はぁ、やばい……めぐむを無理やりに犯しているようだ」 犯しているんだよ。もう。うっ、うっ。 「めぐむ、めぐむ、好きだ。俺の、可愛い、めぐむっ。可愛いよ、可愛いよ」 激しく、腰を突き上げる。 体の芯に突き刺さる。 「はぁ、はぁ、めぐむ、俺、イキそう……」 雅樹だって、声が大きいよ、あっ、あっ、僕も。 「ううっ!」 あぁーっ……。 下半身から体全体に電気が伝わる感覚。頭の中が真っ白になった。 そして、雅樹のあそこから、ドクン、ドクン、と脈打ちながら僕の中に熱いものが注がれる。 僕は半開きになった口から、よだれがつーっと垂れ落ちた。 僕はその場に崩れ、しゃがみ込んだ。 すごく気持ちよかった。 でも……。 「雅樹! 僕、こうゆうの、もう嫌だからね!」 「ごめん。でも、めぐむもよかっただろ。すごい感じていたじゃないか。すごくエロ可愛い顔していたぞ!」 「それはそうだけど……」 雅樹は、しゃがみこんだ僕の頭に手を置いた。 「今日は、ありがとな、めぐむ」 僕は、ハッとして雅樹を見上げる。 雅樹は、にっこりと微笑んでいる。 うん。 雅樹が気持ちよくなってくれたらそれが一番。 雅樹は、僕の頭を撫でながら言った。 「今度からは、我慢せずにちゃんと可愛いって褒めるから。そして、我慢せずに、エッチするようにするからな」 「ありがと……え? あれ? なんか、変なこと言ってない?」 「ははは。バレたか」 雅樹は、誤魔化すように頭に手をして笑った。 「ちゃんと、エッチは我慢するようにしなさい!」 二人、目があう。 そして、どちらからともなく吹き出した。 雅樹、これからは僕の前では素直になっていいんだからね。 僕は、雅樹の頬を両手で触りながら、優しくキスをした。

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