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2-23-2 ある事件 再び(2)

ファミレスを出ると、ゲームセンターに行くことになった。 豪間先輩は、一人でゲームを始めた。 音ゲーの種類なのだろう。 両手を一所懸命に動かしている。 僕は、後ろで見ていた。 「悪いな、退屈させちゃったか?」 豪間先輩は、時折、僕に気を遣って尋ねた。 僕はその度に「ううん」と、答えた。 そう。 ずっと、一人でゲームをしていてくれればいいんだ。 豪間先輩と離れていられる。 雅樹のことを想像していられるから。 豪間先輩は、ふと時計を見た。 「そろそろかな」と独り言を言った。 ゲーム機から離れると、僕の手を握った。 「行こう。近くに公園があるんだ」 今頃、公園になんて行ったって……。 また、豪間先輩の趣味の話を聞かされるのだろうか? でも、僕には選択権はない。 僕は、豪間先輩に手を引かれ、ゲームセンターを後にした。 外に出ると、もう辺りは暗くなっていた。 ゲームセンターから駅に向かって歩く。 早く、解放してほしい。 次の公園で終わりになりますように……。 僕は、そう祈り続けた。 矢追公園という、大きめな公園に入った。 ここが目的地のようだ。 植え込みやベンチなどが多くある。 ただ、街灯は少なく、薄暗い。 僕達は、そのベンチの一つに座った。 座って間もなく、豪間先輩は周囲にひと気が無いかキョロキョロと見回した。 「よし、大丈夫そうだな……」 独り言を言うと、突然、僕のスカート中に手を入れてきた。 さっき映画館で僕のペニスをいじったように……。 僕は、声を上げるのを我慢した。 そうか……。 ゲームセンターは単なる時間つぶし。 夕方のひと気がなくなる時間に公園にくる。 そして、僕にいやらしいことをするのが目的だったんだ……。 しばらく、僕はペニスをいじられるのを我慢していた。 豪間先輩は、興奮しているのか、息が荒い。 はぁ、はぁ、と息がかかる。 徐々に、体を寄せてくる。 顔が近い。 ついに、強引にキスを迫ってくる。 キスなんて絶対にしたくない! 「やめて!」 僕は、堪りかねて声を上げた。 豪間先輩は、脅し口調で言う。 「いいのか? ばら撒くぞ」 汚い……。 本当に卑怯な人だ。 目を瞑る。 大丈夫、大丈夫。 すー、はー。 今日はずっと我慢できた。 今の僕は、ほら全然関係ない僕だ。 何をされたって、平気……。 豪間先輩は、大人しくなった僕に満足したのか、唇を押し付けてきた。 そして、僕の唇を舌で舐めまわしてくる。 ああ、気持ち悪い。汚らわしい……。 でも、我慢。 僕の唇をこじ開け、舌を入れてくる。 本当の僕は、いまごろ、雅樹と楽しく話している。 そうだ。 遊園地にいったこと。 楽しかったこと。 雅樹、開園前の雰囲気いいよね……。 「なぁ、お前。フェラできるよな?」 豪間先輩は、自分のズボンのベルトを緩め、ファスナーを開くと、すでに大きくなったペニスを取り出した。 「ほら」と僕に差し向ける。 雅樹、遊園地で撮った写真、もう一回見せあいっこしようよ……。 僕は、豪間先輩のペニスを見ないようにして、口にくわえる。 そして、舌を使いながら上下に動かす。 雅樹、ジェットコースター、今度はきっと僕大丈夫だから! また、乗ろうよ……。 豪間先輩は息を荒くする。 「はぁ、はぁ、気持ちいい。お前、上手だな、うっ」 雅樹、ねぇ、海賊のアトラクション、面白いらしいよ。今度は絶対にいこうね……。 「いくっ!」 豪間先輩は、声を上げ僕の口に射精した。 僕は咳き込み、口に入った精子を残らず吐き出す。 汚い、汚いよ……。 僕は必死になって口をぬぐう。 「お前、すごいな。じゃあ、次はこっちか?」 豪間先輩は、僕のお尻を触り、そしてアナルをちょんちょんと触った。 「そっ、そんな……もういいでしょ?」 豪間先輩は、いやらしい目つきで僕を見る。 僕は、体を石のように硬直させた。 「なんだよ、できるんだろ? なんだったら、いいんだぜ? ほら」 豪間先輩は、例の写真を胸ポケットから取り出した。 そして、チラつかせる。 なんて、卑怯で卑劣な人なんだろう……。 目を瞑る。 深呼吸をする。 すー、はー。 大丈夫、大丈夫……。 雅樹、ねぇ、レストランでのあの踊り、楽しかったね……。 僕はすっと、体の力を抜いた。 豪間先輩は、すっと、アナルに指を入れた。 うっ。 アナルに異物が入ってくる感覚。 それが、ずずっと僕の中に入ってくる。 やだよ。 やめて……。 雅樹、また、遊園地……。 豪間先輩は、指で僕のお尻の中をまさぐり、そして、指を出し入れし始めた。 そして、もう一本指が加わる。 雅樹、一緒に、遊園地……遊園地……お願い……。 だめだ……。 涙がでてきて、とまらない。 ずっと、止まらない。 あっ、あっ、と、泣いている声が喘ぎ声に聞こえるのか、豪間先輩はいよいよ張り切って指を出し入れさせる。 豪間先輩は、「さて、そろそろいいだろ?」 と言って、アナルに入れていた指を抜くと、前向きに抱っこしていた僕を後ろ向きに抱きかかえた。 そして、そのまま自分の膝に乗せる。 僕のショーツは、乱暴にぐいっとずらされた。 「やっ、やめて……」 ああ、このまま座ったまま、後ろからされてしまうの? 豪間先輩のペニスは、いつの間にか、また大きくなっている。 「入れるぞ! 最高に気持ちよくしてやるからな!」 豪間先輩の興奮した声が耳もとで聞こえた。 アナルに、豪間先輩のペニスが触れる感触……。 ああ、もうだめ……。 その時、 「雅樹、たすけて!」 「雅樹、たすけて!」 と、繰り返し、誰かが叫ぶ声が聞こえた……。 誰だろう? 聞いたことがある声……。 ああ、そうか僕だ。 本当の僕が、雅樹に助けを呼んでいる声だ……。 その時、ドカッっと、大きな音とともに、僕は気を失った。

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