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3-01-2 ある日の放課後(2)
甘いひと時。
「めぐむ、じゃあ、俺、部活いくね……」
仰向け状態の雅樹は、上に乗っかった僕の背中をポンポンっと叩き、起き上がろうとした。
ああ、まだ。
まだ、足りない。
もっと、もっと、甘えたい。
今日の甘えたい病はまだ治らないんだから!
「まってよ、雅樹!」
「ん?」
「もっと、甘えたいんだ……だめ?」
「だめじゃないけど……どうしたんだ?」
「こんな、サプライズをする雅樹がいけないんだからね!」
「ははは。大袈裟だって」
この火照った体を鎮めるには、ちょっとしたことじゃ物足りない。
僕は、ふといいことを思いついた。
「雅樹、今日は僕の誕生日のお祝いだよね?」
「ああ、そうだ」
「じゃあ、おねだりしたい事があるんだ」
「言ってみて」
「雅樹の愛のミルク、僕の中にもっと、もっと、頂戴!」
「ぶっ! ははは。めぐむは、エッチだな!」
僕は、ちょっと怒り気味に言った。
「ちっ、違うよ!」
「えっ? なにが違うの?」
「雅樹の愛で体中を満たしたいの! だから、まじめなお願い。わかる!?」
雅樹は、はてな顔になった。
「ん? それって、結局はエッチをしたいってことじゃあ……」
「それは、そうなんだけど……でも、そうしないと、今日の僕の火照った体は収らない! ほら! だから、雅樹は僕のアナルからペニスは抜いちゃめだよ。こぼれちゃうから」
「な! そっ、そんな事言ったって。もう、俺のペニスはしおれてくるぞ!」
そういわれてみれば、雅樹のペニスは柔らかくなってきているのがわかる。
「ああ、僕のお尻から雅樹の愛がこぼれちゃう……」
僕は、慌てて、手を後ろへ回し、雅樹との接合部を触る。
たらっと、漏れてきている。
僕は、お尻をぐいぐいと雅樹のペニスに食い込ませて、なるべく漏れ出ないように工夫する。
だめだ……。
やっぱり、雅樹のペニスが小さくなってきているのを何とかしないと……。
「雅樹! 興奮してよ! ちゃんとお尻に栓をしてくれないと漏れちゃうよ!」
「おいおい、そんな事いったって……」
「ああ、もう……」
僕の嘆きを見ていた雅樹が何かを閃いて言った。
「そうだ! めぐむ」
「なに?」
「何か、エッチな話してよ。そうすれば、俺、興奮するかも!?」
「なるほど! 名案!」
僕は、うーん、と思い起こしを始めた。
エッチな話ねぇ……。
やっぱり、一人エッチの時に妄想したことがいいかも。
「じゃあ、緊急事態だから、ちょっと恥ずかしいけど、最近一人エッチで考えた事を言うね」
「おお! それは期待できるな。めぐむの妄想が聞けるのか。これは、楽しみ」
雅樹の言ったとおり、雅樹のペニスがちょっとぴくんといた。
ふふふ。
これは、面白い。
よし、雅樹のペニス君を元気にさせちゃう作戦開始!
僕は、話し始めた。
「まずね、僕は、レースのいやらしい下着を着るわけ。スケスケのやつね」
「うんうん。色は?」
「黒!」
「おー、いいねぇ」
雅樹のペニスがぴくぴくって反応した。
よしよし。大体、雅樹の好みはわかるんだ。
「それでね、雅樹に『めぐむは、いやらしいなぁ』といつものように言葉で嬲 られるわけ」
「ははは。いつものようにねぇ。うん、うん。それで?」
雅樹のペニスがじわっと膨らんでくる。
よし! この調子。
「僕は、興奮して、その、ペニスが勃起してきちゃうの」
「おーっ! って、めぐむ、今もめぐむのペニス大きくなってきてない? 俺にあたっているけど」
雅樹の指摘に、僕は猛烈に恥ずかしくなった。
顔が熱い。きっと真っ赤になっている。
「もう! そんなの当たり前でしょ! 一人エッチで考えたことなんだから!」
僕は気を取り直して話を続ける。
「ふぅ。それでね、雅樹は、『めぐむ、女の格好でこんなに勃起しちゃだめだ。パンティーからはみ出しているぞ』って言って、手のひらで僕のペニスを包みこんで、ぎゅっと握りしめて、無理やり小さくさせようとするの。でね、僕は、『やめて、やめて』って悶えながら雅樹に訴えるの」
「うわっ、えっろ! めぐむって、そんなことをしてほしいの? はぁ、はぁ」
「ちっ、ちがうよ! ほら、例えば、だから……まぁ、違くはないけど……」
語尾はフェードアウト。
僕ってエッチなことを言っているなぁ、と自分でも思うんだけど、これは作戦だからとしようがないと、自分に言い聞かせる。
その時、僕のお尻の穴がめきめきっと広がっていくのを感じた。
よし!
雅樹のペニス君はかなり大きくなったぞ。
ふふふ。
雅樹だって、僕にそういう意地悪したいんじゃない!
よし、あと一息!
僕は、とっておきを言う。
「でね、極めつけなんだけど」
「ああ、それで、どうなんだ? はぁ、はぁ」
雅樹も、だいぶ興奮している。
もうすぐで、僕のアナルの気持ちいい所に、雅樹のペニスの先がつんつんしてくるぞ!
「実は、雅樹もレディースのいやらしいレースの下着を穿いていて、自分のペニスはショーツからすっかりとはみ出ていているの」
ふふふ。
どう?
エッチでしょ?
「へっ? 俺も下着女装しているの?」
「そうそう。どう?」
あっ、あれ?
なんだか、雅樹のペニスが……しぼんでいく。
「ちょ、ちょっと! 雅樹! どうしたの!? 小さくなっているよ」
「……だってよ、めぐむが気持ち悪いこと言うから……」
「えっ?」
「俺が女装とか、萎えるだろ……」
雅樹は、暗い顔をした。
僕は、大きく首を振る。
「なっ、そんな事ないよ! 雅樹だって、綺麗になるって!」
「あー、せっかく、エッチな気分になってきたのになぁ……」
あー。
寸でのところで……。
雅樹のペニスは、作戦の前と同じぐらいに柔らかくなってしまった。
いや、それよりもかも……。
僕は、へたっと雅樹に倒れこんだ。
「ごめん……僕は、雅樹の体は美しいと思うから、可愛い下着でもいいなぁ、ってつい思ったんだ」
雅樹は、僕の頭を優しく撫でた。
「よしよし、まぁ、その辺りは、めぐむと俺の性向の差なんだろうな」
「……うん」
僕ががっかりとしていると、雅樹が言った。
「じゃあ、今度は俺がちょっと話してみようかな」
「えっ! 雅樹が?」
僕のテンションは、みるみる上がってくる。
「よし、じゃあ話すぞ!」
「うん」
どんな、話なんだろう。ワクワクする。
「このまま、めぐむの中に精子だし続けたらさ……」
「うん」
「めぐむが妊娠しちゃうってどうだ?」
「えっ? 妊娠!?」
「そうそう。あまりにも俺の精子で満たされちゃったもんだから、体が勘違いして、『あれ? 妊娠しなきゃだっけ?』みたいになって」
「ぷっ。面白い。うん、それで、それで」
「で、めぐむのお腹が膨れてくるわけよ。あぁ、これは妊娠ですね、ってなって、出来ちゃった婚になる」
「へぇ、出来ちゃった婚! うんうん、それで」
「でも、妊娠してても、新婚ってわけじゃん? だから、毎晩エッチする。それに、おなかが膨れてくると、めぐむはますます可愛くなって、もう止まらない!」
「うんうん。ああ、すごい! すごい!」
「なぁ、めぐむ。興奮しすぎ! めぐむのペニス、すごい事になっているぞ!」
雅樹は、僕のはち切れんばかりに勃起したペニスを、ぴんっとはじく。
痛っ!
でも、それ以上に気持ちいい……。
快感が全身に走る。
「あっ、あん……だめっ、そんな事しないで……」
「ああ、感じているめぐむを見ていたら、俺も、興奮してきたよ……」
確かに、雅樹のペニスは固くなってきている。
いや、もの凄く固い。
いつの間にか僕のお尻の中の気持ちのいいところを、つんつんと突く。
そして、ゆっさ、ゆっさと突き上げが始まった。
僕は、雅樹の動きに合わせるように体をシンクロさせる。
雅樹は、息を荒げながら言った。
「はぁ、はぁ。で、子供が生まれるわけ。そうだな、めぐむのような可愛い男の子。その子が俺達にキスをねだりながら言うんだ。『ボクもかまってよ! パパ達、エッチばかりしてないでさ!』って」
「あぁ……なんだか幸せそう……あっ、あっ、雅樹、だめ……僕なんだか、その妄想だけで、いっちゃいそう……」
「おっ、俺もだ……うっ、いくっ!」
「雅樹、たくさん、ちょうだい、愛のミルク……僕の体が間違えて妊娠しちゃうように……あっ、あん……」
「はぁ、はぁ、よし! どんどん出すぞ!」
「あっ、あっ。雅樹、雅樹、きてーっ! あーっ!」
雅樹の、うっ、という声と一緒に、僕は昇天した。
僕のお腹の中に雅樹の精子がドクンドクンと注がれていく……。
頭の中が真っ白になりながら、それを心地よく感じていた。
ああ、最高……。
僕の体全体が喜んでいる。
こんなに幸せだと、本当に妊娠しちゃうよ……。
それに、こんな幸せな気持ちになりながらのエッチって初めて。
雅樹、素敵な誕生日プレゼント、ありがとう……。
僕は、熱くなったお腹を抑えながら、繰り返しそう思っていた……。
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