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第7話
釣った魚にはエサやりまくるよ。優しさはタダじゃないんだから。
チラッとみた桐島はいつもの後ろの隅のほうの席でずっと教授の話を真面目腐って聞いていた。隣に誰か座ってて嫌だなって思った。あのいい匂い嗅ぎまくってるんだろうなって。あのいい匂いを嗅ぎまくってちんこおっ勃てて桐島のぷりぷり生乳首こりこりしたいんだろうな…って僕のちんこがずきずきしちゃって、桐島の隣のやつをみたら女の子だった。あの地味でデブでブスな女。達央の元カノ。達央のカノジョ歴で悪い意味で浮いてる。歴代カノジョが綺麗過ぎたし頭も良かったし顔もスタイルも良かった。達央に似たリーダー気質な感じでサバサバしてる。なんで桐島の隣座ってんの?達央にコクられたらそっちに靡いたクセに。僕は思わず立ってた。ちんこは萎えた。暗くて静かな部屋は何人かは寝ていた。教授が僕に何かあるのかと訊いた。僕は咄嗟に「うんこ!」って言って、そうしたら通路側に座ってた子たちが退いてくれて達央の声も聞かずに外に飛び出した。腹は壊してないし便意もない。憤怒で頭がおかしくなりそうだった。糞 じゃなくて憤怒。憤激、雨、霰。あの地味な女まじで許さない。あの地味な女、男なら誰でもいいんじゃないかな。じゃあ僕が付き合って?って言ってみる?本当にうん!なんて、言ったら?それはそれであの女のクソっぷりが分かってクソ面白いけど無理だよ、あんな女、萎えるなんてまだいいほうだよ、ちんこ抉れる。ゲロ吐くよ。デブでもブスでも小綺麗にして性格可愛いよな、って女の子いっぱいいるのに、あのヲタクにもならないし垢抜けもしないクセに寄ってきた男にはみんないいカオするデブでブスな女ムリ過ぎる。達央にコクられて達央をフって天狗になってない?最初から地味グループで好きそうだった桐島に戻るってわけ?ムリ過ぎる。本当に嫌だ。勘違いするなよくそブス。怒りで頭がおかしくなりそうで熱くなっちゃって完全に火傷した。自然発火した。あのクソ女のせいで。売店でアイス買っていつものロッカー棟の裏の芝生で食ってた。チョコは桐島と食うからバニラにした。野球拳バーが一番僕の思う桐島のおっぱいっぽい味がした。本物のおっぱいみたいに乳首みたいな突起あるバニラアイスもあるんだけれどもあれはなんか、あの膨らみが野暮なんだよな。桐島のおっぱいは平たくて筋肉もそんなには付いてなくて硬いから。抱き締めても反発ないんだよな。棒に染み込んだバニラの味が一番リアルな桐島のおっぱい味な気がした。ぼけ~っとしながら達央は僕の長いクソ待ってるのかな、なんて思ってそろそろ戻る気になった。いつまでもこうしちゃいられない。長いクソをした体 で大講義室のある建物に戻る。入ってすぐトイレ、右に曲がって壁からソファーが生えてるロビー。なんだか映画館みたいな造りの大講義室の入口。桐島と映画観に行きたいな。来てくれないだろうな。カップル割引効くのかな。カップルじゃないけれども。カップル割引効くのなんかつまらないラブロマ映画だけでしょ。それなら一緒にAV借りに行って家でそれ観ながらちんこと乳首舐めて穴ずこずこしたい。普通に映画借りるのもいいけれども。桐島はお堅いミュージカル映画とか借りそうだしAVのほうが絶対良い。壁から生えてるソファーに座ってなかなか大講義室に入る気が起きなかった。だって桐島の隣にあんなクソ女が座ってるの僕見たくないもん。桐島は僕のなのに。僕は桐島のザーメンの味もちんこの味も乳首の固さもケツの穴のキツさも皺の数まで知ってるのに。あの女本当にやだ!大っ嫌い。泣きそうだよ。僕はソファーの上で蹲った。口の中はバニラ。桐島のおっぱいの味。スマホが鳴って、達央から大丈夫かってメッセージ来てた。大丈夫だよってすぐに返した。腹壊したのかって来て、返信する前にまた医務室行くかって来た。過保護だな!って絵文字付けて送った。それから暫く返信は止んだ。戻らないと達央が心配するから。暗い扉の奥に入っていく。桐島の居るほうを見ないようにした。達央が気に入ってるジャケットを僕の腹に掛けて、なんか怖い。これ達央のカノジョが生理の時にやるやつじゃん。僕は生理じゃないんだけれども。でもシャツの達央は男の僕から見てもかっこよかったし女の子たちがキャーキャー言うのも分かる。ほぼほぼおじじ臭いオールバックで瓶底眼鏡で生っ白い箱入り息子の桐島もメロメロになるわけだわ。達央のこと考えて夜な夜なひとりで慰めてるのかな。膝ガバって開いてするのかな。床に擦り付けるとか?それとも脚閉じて横向きで?男のオナニー事情とか考えたくもないのに桐島のオナニー絶対可愛いでしょ。膝かっ開きオナニーの線は薄いな、桐島は恥ずかしがり屋さんだもん。僕的には横向きで口押さえてちゅくちゅくやってるのがいいな。僕の桐島専用チョコアイスバーもむくむくしちゃった。少し動くだけで達央のジャケットからも隣からも爽やかな匂いがしていい意味でちんこ萎えた。講義が終わって人がぞろぞろ部屋から出て行った。僕はジャケットを達央に返した。達央は「礼斗の匂いがする」とか何とかって言ってたけれど僕は人混みを見上げて桐島とその隣のクソ女のこと見張ってたからよく聞いてなかった。みんな待ってればいいのに出入口で渋滞が起きて、桐島の姿は見えなかった。
「誰を探しているんだ」
肩を抱かれて後ろ向いてた僕は達央のほうを向かされる。
「腹はもう大丈夫なのか。医務室に行って蒸しタオルでも借りてくるか?」
「だ、大丈夫!」
僕は力瘤を見せて元気アピールをする。腹壊してないから本当に。
「礼斗」
「な、何…」
出入口の渋滞が解けて人が出ていく。静かになっていく。僕は達央から目を逸らした。桐島の居たところにもう桐島はいなかった。あのクソ女が連れ出したに違いなかった。僕は確信した。違かったら桐島にアイス奢る。合ってたら桐島の乳首からアイス食う。
「礼斗…ちゃんと聞いてくれ」
僕の腕を引いて、もう大講義室は明るくて自動カーテン開いて静かになって、それでもまだ疎らに人はいた。
「引いたか…?オレのこと…」
「ひっ、引くってなんで!引いてないよ!全然」
「オレの傍に居るのが嫌になったのかと思った」
「まさか!」
達央は僕が見たことないほど落ち込んだ表情で、僕は達央の肩を叩いて元気付ける。
「良かった」
僕はへらへら笑って早く桐島の居場所が知りたかった。そのうちまたロッカー棟裏か裏会館南側で会えると思うけれど。でもその間もあの女にべたべた触られてるんじゃないかとな、いい匂い嗅がれまくってるんじゃないかとか、不用意に綺麗な声聞かせてるんじゃないかとか、無警戒に身体触らせてるんじゃないかとか考えてまた沸騰しそうになった。傍に置かなきゃダメだ、桐島は。桐島のいい匂いに気付いたのは僕なのに。桐島の声が綺麗なのは僕が気付いたんだから。ずっとずっと桐島が好きだった達央と付き合って別れて桐島狙うのが許せない。頭が痛くなる。息が出来なくなる。あれ、僕風邪引いてない?アイス食べ過ぎた?ふらふらっとして達央に支えられる。何してんだろ、僕。腕を肩に掛けられて引き摺るように連れ出される。出た瞬間に「あ…」って気拙そうな声が聞こえた。
「悪いが桐島、礼斗の荷物頼んでもいいか」
「分かった。佐伯のは」
「頼んでいいか」
僕はなんか胃の辺りが引き攣っちゃって目がチカチカして、あんまり頭動かせる感じじゃなかった。ただやりとりが聞こえる。普通に話してるじゃん。僕は達央に支えられながら医務室まで歩いた。
「ごめんな、タっちゃん」
「何がだよ。困ってる時はお互い様だろ、気にするなよ。吐きそうか」
「全然」
「今桐島が荷物持ってきてくれるから」
医務室のソファーが見えると僕は自分で思ってるよりも弱ってたみたいで力が思うように入らなくなってへなへなそこに寝転んだ。最近食べてるのアイスばっかりで桐島でオナニー三昧、外でも下半身出し放題、それは体調不良にもなる。頭がくらくらして脳味噌だけでジェットコースターに乗ってるみたいだった。医務室の人が来てベッドを空けてくれたからまた達央に支えられながらそっちに移った。体温計渡されて腋に挟んで、カーテンが閉まった。その向こうで僕の荷物持ってきたとかで達央と喋る桐島の声が聞こえた。呼びたいけれど、2人は普段どおりに喋ってた。なんかゲームとかで主人公のいいパートナーみたいな。野球まんがでいうとバッテリー。夫婦みたい。あの2人になんかあったなんて信じられないくらい。邪魔しちゃダメだ。達央は気にしてた桐島と話してて、桐島だって達央と喋ってる。僕とも喋っても桐島。こっち来てよ。体温計がピピピって鳴って腋から体温計を抜く。37度5分。ちょっと熱あるかも。達央が医務室の人よりも早く来て体温訊いてきたから体温計を見せた。感染るからここでばいばいって僕は言った。でも桐島に会いたくて顔が見たくなって桐島はもう帰ったのかって訊いた。達央は桐島を呼んでくれた。カーテンから桐島が入ってきて、朝にも一緒にいたのに微熱で弱ってるらしい僕はいきなり嬉しくて何に感動したのかも分からないまま目の裏がキュってなって涙が出てきた。完全に面倒臭い女じゃん、これ。風邪感染るかも知れないから嫌かなって思ったけど手を伸ばしたら冷たい手で握ってくれた。原因はオナニーのし過ぎと青姦のし過ぎとご飯食べないでアイスの食べ過ぎってはっきりしてる。やっと野球拳バーが僕の想像する桐島のおっぱいの味ってことも知れたから後悔はない。桐島は僕を見下ろして逆光してた。病院で患者と内緒でエッチしちゃう看護師さんのAVみたいで興奮した。でもちんこの奥はむずむずするのに勃つ感じはなかった。
「荷物ありがとね」
「体調管理くらいしっかりしろ」
「ごみん」
放したくないけど放さないとだった。次の講義遅れちゃう。
「また来る」
「いいよ、来なくて」
「分かった」
それとも達央に会えるかも知れないから?達央だって忙しいだろうから来てくれるか分からないよ。でも2人が話してるの、なんかいいな。
「帰ってるかも知れないから」
「…お大事に」
「手洗いうがいしろよ」
「言われなくても」
桐島の背中がカーテンで消えた。気配も消える。
少し寝たら調子良くなって、医務室の人に言って簡単な紙の手続きして帰ることにした。電話番号渡されて、帰宅したら留守番でもいいから帰ったこと伝えろってことだった。桐島の持ってきてくれた荷物を持って、達央に帰るってメッセージ送った。あと普通にお礼。桐島には送らなかった。連絡先交換してないから。デートする以前の話じゃん、それ。桐島に会いたくなって、同じ敷地に居るんだからすぐ会えるのに微熱がなんだか桐島を遠くさせるしもっと会いたくさせる。チョコアイス食べさせたかった。チョコアイス初めて食べる顔、僕が一番に見たいよ。バニラアイスだけ初めてってことないよね、バニラアイスは大体アイスの初級なんだから。僕の目の前で、僕の手で、僕と一緒にチョコアイス食べて欲しい。あと僕の桐島専用のチョコアイスバーも尻穴で食べて欲しい。でも今日はダメだね。体調管理しっかりしろって言われたから。ちょっとふらふらしたけれど歩けないほどじゃなかった。別にもう会えなくなりそうとかそんな予感まったくないし、もう会えなくなる理由なんか無いのにいきなり心細くなって本当に身も心も面倒臭いカノジョみたいだった。会いたい逢いたいを繰り返す歌を鼻で嗤ってたのに今ならあの気持ちがめちゃくちゃ分かる。みんな微熱なんだな。会いに行けばいいじゃん。場所知らないのかなって。みんな微熱で身体がダルくて、会えないんだね。どこにいるのか分からないのかな。本当に会えなくなる前に会いに行けばいいのにさ。僕は会いに行かない。今日はオナニーせず寝るからね。中学生かよ、まったく。
「成瀬」
医務室のある本館裏口のほうがここからだと近いどころかすぐ裏玄関で、そっちから出ようとしたら呼び止められた。幻聴でも嬉しかったのに本当に桐島だった。
「ナイスタイミングじゃん」
僕は指を鳴らした。手が変な温かさなのを自覚する。汗ばんでるのに冷たいような。
「来てくれたんだ」
「帰るのか」
「うん。でも真樹ちゃんに会えて良かった。明日には絶対治すって、確約は出来ないケド」
「ゆっくり休んでしっかり治せ」
僕は桐島を見つめた。桐島は僕から目を逸らした。近付きたいな、触りたいな。でも我慢した。褒めてよ、桐島。良い子ってしてよ。
「来てくれてありがとね」
遠目に達央が見えて、僕は桐島に手を振った。桐島は頷くだけだった。早く戻れよって。達央と鉢合わせろよ、って思いながら僕は裏玄関を出た。達央とは勿論話したかった。ちゃんとお礼言えてないし僕のために時間割いて来てくれたのも分かってる。でも普段と変わらない片想い相手に平静装って関わる桐島、エッチじゃん。僕はどう足掻いたって達央みたいにはなれない。
◇
喉が痛くなって胃がぐるぐるした。食欲はあったから早退した帰りに適当に買い込んだレンチンするうどんとか袋ごと茹でる粥とかアイスも少々買い込んだから腹に入れた。スマホが鳴って達央だった。飯は食べられてるかとか具合はどうかとかそんな内容だった。起きられないようなら看病しに行くとか言っていたけれどちょっと頭がわんわんして深く考えずに来てもらうことにした。わんわんしてる僕の頭はふわっとして何も考えずに桐島のことを聞いた。取って付けたみたいに達央も風邪感染ってないか訊いた。桐島は達央と違ってヤワそうだから咳3回くらいしたら肋骨折っちゃいそうなんだもん。僕はまた頭がわんわんして電話を切った。達央はまだ喋ってたけれどアプリを閉じるみたいな癖で切っちゃってた。くらくらして変な暑さと寒さの中で、あっ…って思ったのに長く考えてられず目を閉じてまた寝た。
かなり深く寝た気がしたからインターホンが鳴った時の目覚めはカラッとしてた。まだぼやぼや頭は痛かったけれど、なんでか母ちゃん父ちゃんが来てくれたんだと思い込んでよろよろとベッドから降りて玄関を開ける。達央がいて、どろどろした記憶の中で確かに達央に来て欲しいようなことを言った気がした。達央を中に入れると片腕にかけてた緑のレジ袋からガサゴソ何か取り出して僕のおでこが冷たくなった。冷やっぺシートだ。
「ちゃんと鍵締めとけよ、危ないだろ」
「うん…ありがと」
僕はへらへら笑ってベッドに座った。部屋に迎え入れるつもりだったけれど達央はキッチンのところで止まった。
「寝てろよ。看病に来たんだから。食欲はあるんだろう」
「うん」
「じゃあ何か作る」
僕はまた布団に潜る。なんだか僕は弱っちい子供か、なんか少女漫画のヒロインみたいで気恥ずかしくなった。達央はやっぱりかっこよかった。
「うん」
頷いて、もう眠くて目を閉じた。達央はてきぱきしてる。こういうところまで完璧だ。誰かが部屋に居るのが落ち着いた。かちゃかちゃ音がする。僕は眠った。でもまだちょっと耳に意識が残って、唇が柔らかくなって喉が冷たくなっていくのが気持ち良かった。桐島とのチッスの味とも桐島のすべすべな肌とも違う砂糖のダイレクトな甘い味がした。柔らかいのが離れてまた冷たくて甘いのが通っていく。口の中にぬるぬるしたのが入ってきた。桐島も来てくれたんだと思った。いつもより大胆だった。感染っちゃうかも知れないからダメだよ、って僕は服を掴んだ。桐島も熱が出たみたいに熱い手で僕の手を握った。口の中掻き回されるのが気持ち良くて、桐島にも気持ち良くなって欲しいから僕も舌を動かすけれど口が怠かった。それにちょっと動かしただけで、絡んで巻き付いて、気持ち良すぎて力が抜けた。下半身がくずぐずになりそうだった。桐島いつの間にこんなキス上手くなったの。僕は不安になった。僕のだよ、桐島。僕のになってくれるって言った。勉強したのかな。桐島らしくて真面目だけれど、そういうのは僕がちゃんと教えたいよ。柔らかいのが離れて、まだ桐島とチュウしてたくて僕は手を伸ばしてまたチュウしてもらった。感染っちゃうからダメなのに。桐島、風邪引いたら肺に穴空くまでこじらせそうだもん。そうしたら看病してあげる。身体拭いてちんちん舐めて抜いてあげる。メダカもまともに育てられない僕にそんな世話好きな一面があったんだなぁ。桐島の硬いおっぱい触りたくなって僕は桐島のおっぱいをまさぐった。掌にはみしみしの筋肉が当たった。本当におっぱいたった。女の子とは違うおっぱいだけれども桐島のすかすかのぺたぺたのすべすべのおっぱいじゃなかった。目を開けた。達央だった。そうだ、達央が来てたんだった。くらっくらの頭で思い出す。涎垂らしてたみたいで慌てて袖で拭いた。汚い寝顔見られた。
「ごめん、寝てた」
「いや、起こしてごめんな。何か飲むか。スポドリあるぞ」
達央がコップにスポドリを注いで飲ませてくれた。冷たくて甘かった。夢に出てきたから飲みたいと思ってた。達央には口移しして!なんて言えないしそんなこと桐島にしかお願いするつもり今後ない。
「もうすぐ鶏粥できるから」
「えっ、そんな凝ったの作ってくれてるの」
「ああ。早く元気になってくれよ」
ネギ切ってたのは覚えてる。俳優みたいな人が僕の庶民的なキッチンスペースでネギ切ってたのはいい意味で似合ってなかった。
「うん」
達央は僕の頭を撫でてくれた。桐島のエッチな夢みたからちんこがちょっと勃ってて、カラダのあっちこっちが色々ダメだった。でも放っておけばすぐ治まる程度。鶏粥が出来上がったらしくて達央はテキトーに食器に盛って、食わせてくれた。自分で食べられるんだけれども達央は僕に食わしてくれたから甘えることにした。
「美味いか?味薄かったら塩入れる」
「うん…大丈夫。美味しいよ」
粥に美味しいとか不味いとかあるのか知らないけれど達央の作ってくれた鶏粥は美味しかった。
「そうか。なら良かった」
「タツオは料理も上手いんだねぇ」
達央は謙遜しながら僕の口に粥を運ぶ。そんな地に足ついた生活感ありありな生々しい日常のワンシーンでさえもかっこよくて、僕って少女漫画ヒロインだったのかな。どっちかっていうと桐島が少女漫画のヒロインで、僕はヒロインをいじめるお嬢様じゃないの。
「礼斗のために頑張った」
「そりゃサンキュー」
真剣な顔付きになって僕を見る。ちょっと怖い。かっこいいけれども。
「薬もどうせ無いだろ?買ってきた。飲めそうか」
風邪なんてほとんど引かない健康優良児って意味なのか、ガサツって意味なのか分からないけれども達央はやっぱり僕をよく知っている。
「うん。ありがと。レシートある?お金返す」
「オレが勝手に買ってきただけだから」
「そうはいかないって。僕が風邪引かなきゃ買わなかったんだから」
達央は漢方ってデカデカと書かれた小さな箱を出した。風邪薬でも滋養強壮剤でもない。漢方って、マジかよ。
「い、いい…!じゃあ、元気になったらどこか行こう。その時に、何か食べさせてくれ」
「え……別にいいケド、そんなんでいいの?」
食材も薬も達央のほうが高くついてる。焼肉2人で行ったって5000円いくか、いかないか。高級焼肉店じゃないよな。っていうか焼肉ってまだ決まってない。達央は漢方薬らしい箱を開けた。中には薬包紙が沢山入っていた。苦そうな匂いがぷ~んってした。ゲームの回復薬みたい。
「礼斗と食えるなら」
「分かった」
それよりも僕は達央の指で開かれて谷折りになって集まった粉のほうが気になった。鼻詰まって達央の匂いはそんなそんななのに薬草っぽい苦そうな匂いだけは分かる。
「さ、礼斗。飲むんだ」
「……それ絶対苦いよね?」
「一瞬で済む。口を開けてくれ」
「あ~、う~ん」
達央は僕の顎を掴んだ。薬包紙が近付いて苦い匂いで鼻が通った。鼻息で飛ばそうとするけど粉薬は僕の口に全部入った。すかさず水の入ったコップが口に当てられた。鼻詰まりでも匂いは苦いし後味も匂いけれど変な甘さは分かった。
「よく飲めたな。偉いぞ」
「なんで糖衣のやつじゃないんだよ~」
達央は微笑んで僕の口に付いてる水を拭いた。
「着替えるか?身体拭いてやる。タオル借りるぞ」
気が回り過ぎる。恐ろしい。達央は僕が返事をする前に立ち上がって行ってしまった。僕はぼやぼやしながら着替えのパジャマを出した。3人前の元カノから貰ったやつ。あの子はクリプレも誕プレもパジャマくれたんだよな。僕がジャージで寝るのが気に入らないらしくて。達央は濡れたタオル持って戻ってきた。桐島からもらったタオルだった。まさか達央が使う日が来るなんて思わなかっただろうな。使われるの僕だけれども。
「中に下着着ないと気持ち悪いだろう」
「あんまり気にしてなかった」
タオルは温かくて僕の身体を拭いていく。首とか胸とか、腋とか腹とか。
「下は自分でやるって」
「オレがやる」
達央は何かに取り憑かれてるみたいで怖かった。パジャマのズボンのゴムを掴まれて中にタオルが入った。パンツごと全部脱がされて寒くなる。これは看病、達央は親友。だから恥ずかしくない。僕は両手で顔を覆った。タオルも事務的に太腿とか膝裏を拭いて、何度か畳み直されて温度が変わった。それから桐島のタオルが僕のちんこを包む。持ち帰った日は桐島の残り香嗅ぎまくりながら3回抜いた。
「あ、ぃっ」
正直なちんこが達央に見られながらむくむく育った。タオルじゃないものでちんこ包まれて、たまげた。
「抜いてやる」
「放っておけば治まるって!」
「カラダに毒だ」
片手が僕のちんこを扱いた。かなり上手くてびっくりする。桐島は出来なそう、って考えたら嫌がる桐島に手コキさせるところ想像しちゃってまた気持ち良くなっちゃった。ここ最近AVとかエロ画像じゃなくて妄想ばっかりだから、ちんこ気持ち良くなっちゃうと桐島のことが出てきちゃう。
「ちょ、っちょ、ちょっ……と、っ」
達央の手の中で僕の勢いばかり増していくちんこが見え隠れする。昨日抜いてない。何度か勃って全部無視した。達央の手コキが上手い。
「ちょっ、!たつひ、あっあっ…!」
ふざけるつもりがふざけきれなくてシャレにならない声が出た。
「出せ、」
「手、ダメだって!手、ダメだって…ダメだって、ダメ……ッ」
達央の動く腕を掴んだ。でも止まらない。風邪っ引きザーメンが出ちゃう。いや、待って、達央の手なんだよな。僕は抵抗をやめた。一気に萎える。
「礼斗?」
「さすがに親友にシモの世話までさせられないって」
へらへら笑った。何事もなかったように達央の手を退ける。桐島のタオルで僕のちんこ握った達央の手を拭いてやった。良かったじゃん、桐島。
「礼斗、オレは、したい」
「へ?」
「礼斗のこと、オレの手で気持ち良くしたい」
「あ…え?いや、いいって!十分良くしてもらっ…た、か、らッぁ…」
するする達央は僕の前から滑っていってちんこまた舐められた。ヤバいって。
「待って、待って!達央っ!」
垂直になってる僕のちんこを達央がベロンって舐めあげた。裏筋のところでちろちろされる。僕が桐島のちんこ舐めたいみたいに達央もちんこ舐めたいのかな。達央が?なんでさ。
「痛いか?」
僕が答える暇もなくカリのところ唇で挟まれる。先っちょはもう納豆みたいに達央の唇との間で糸引いてた。
「僕っ、ここまでしてもらっても、タっちゃんの、舐めっ…られない!よ?」
「オレがしたくてしてるだけだから、別に、いい。気にするな」
喋りながら器用に先っちょとかカリとか裏筋吸われて舐められて挟まれてコかれてこの身体じゃ我慢できなくて顔射しちゃった。びっくりしちゃって慌ててもう僕の汗拭いた桐島のタオルで達央の顔拭いた。達央はまだ僕をみながらザーメン最後まで搾り取ってくれた。
「タっちゃん?どしたのさ、急に…」
「桐島のこと、好きなのか」
僕はう~ん、と唸った。それで着替えた。達央は僕の一挙手一投足をずっと目で追ってた。僕はパジャマのボタンを留めながらまたう~んと唸った。薬が効いてきたのかちょっと楽になった。ベッドに戻ると達央のカオは深刻だった。
「教えて欲しい」
「好きなワケないよ」
「じゃあどうして桐島とあんな…」
「…カラダの相性が良かったんだよ。でも今僕付き合ってる子いないし桐島もオッケーしてくれてるから大丈夫」
何が大丈夫なのか分からないけれども後ろめたさはない。好きにしていいって言われる前から好きにしてたけれど結果好きにしていいって言われたんだから。
「だめだ!礼斗」
「まぁ公に出来なくはあるよね、男同士だから。有名プレイボーイ、男に走るってね!」
「違う、男とか女とかそんなんじゃ…」
「タっちゃんが僕といてゲイだと思われないようにすっから大丈夫!」
具体的な解決策なんか勿論ない。公にするつもりもないけれど桐島といるのに人の目を気にするとかはちょっとな。嗅ぎたいものは嗅ぎたいし、舐めたいものは舐めたい。見たくないなら周りが目を逸らせよって話で。
「タっちゃん、アイス食べていけよ」
達央は立ち上がった。ふと達央の前、つまりご立派な部分が目に入ってしまって、ちょっと勃ってた。疲れマラか?呼び付けちゃって悪かったかな。でも僕は舐めるなんて出来ない。エロ画像送ってやるか?ここで抜いてけって?手コキ…するか?
「あ~、タっちゃん。その、抜いてもらったし、…しようか?」
言葉に出来なくて手をシュッシュって動かした。達央は苦笑して断った。
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