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歓迎会(6)
部長はそっと俺の尖った唇をふにふにと摘むと微笑みながら言った。
「揶揄って悪かったな。」
うわぁっ、それっ、それは女の子にする仕草じゃないんですかぁ!?
イケメン部長の突然の行為に目を見開いて固まっていた。
部長は俺の頬に手を移動させ頬を撫でると
「弁当、楽しみにしてるから。
でも無理なら遠慮なく言ってくれ。直接言いにくかったら寺橋に伝えてくれるか?負担になることはしたくないから。」
と優しい目をして言った。
心臓が跳ねて体温が急上昇している。
ドキドキが止まらない。こんな感情、今まで女の子にすら抱いたことは…なかった、はず。
部長を見つめたまま、黙ってこくこくと頷くしかできない。
あっ…
ヤバい!マズい!!
俺…反応してる…また勃ってる…え?何で?
部長…お願い…その手を離して…
俺の心の声が届いたのか、部長は俺の頬から手を外すと
「うちの女性陣はあんな感じだから、気にしないように。
まぁでも、お前はすっかり気に入られたようだけどな。
きっと上手くやっていける。
あまり気負わないように、自分のペースで進めていけばいい。
何か困り事があれば俺に言ってこい。
言いにくければ寺橋に言えば、大概のことは解決するから、彼に相談すればいい。」
また頭をポンポンされた。
ふわふわと身体が浮いているような気がする。
一瞬部長の周りに、漫画みたいなキラキラと薔薇の花がブワァーーーっと咲いてるように見えた。
んんっ!?今の…何?
目をパチパチさせてゴシゴシ擦ってみる。
…何もない…目、おかしくなった!?
俺は自分自身の反応に頭がついていってなかった。
何で?何で部長に欲情してるんだ?
部長も俺も男だぞ!?
…係長のお相手のことで俺、何処かおかしくなってる!?
結局、お礼もそこそこに逃げるように車を降りてしまった。
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