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俺、ソッチ側のヒト!?(5)

係長はカップを置くと 「責めてるんでもない、興味本位でもない。 ただ、心配してるんだよ。 君は本当にいい子だ。 だからこそ、幸せな道を歩んでほしいんだ。 君が心から愛して、君のことをそれ以上に愛してくれる人なら俺は応援する。 …性別は関係ないよ。俺が言うのもなんだけど。」 「っ…」 係長、やっぱり俺が部長に惹かれてること気付いてる?  「…俺達のこと、部長から聞いてるんだろ?」 係長はそう言って、左手をひらひらと振った。 薬指の指輪がキラキラと反射している。 「俺のパートナーは… 営業2課の青崎 航平(こうへい)だ。 色々あったけど、アイツの家の養子になってる。 書類上は義兄弟(きょうだい)さ。 仕事上は別姓にしてるし、俺が人事にいるから上手く誤魔化して、部長以外にはバレていないけどね。」 「…そうだったんですね…」 だから『係長の奥様』とか言ったら『微妙』と言ってたのか…それは確かに『微妙』だ。 係長、すみませんでした… 「でも、係長、お幸せそうです。 時々、指輪をそっと撫でているのを見て羨ましかったんです。」 「えっ!?俺、そんなことしてた!?」 「はい。微笑みながら。」 係長は顔を赤くして『あー』とか『うー』とか唸りながら身悶えしていた。 そして弁解し始めた。 「暫く指輪もネックレスにして隠してたんだ。 でも、それはおかしい、って思うようになって、やっと堂々とつけれるようになった。 そしたら周りの風景が変わった、と言うと大袈裟なんだけど。 それに、何よりアイツが凄く喜んでくれてね。 …あ、ごめん、惚気てる訳じゃないんだけど。」 俯く係長は、俺が言うのも変だけど、とってもかわいらしかった。

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