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思いを告げる(14)

「……き、弘毅……」 また、顔中柔らかなモノに啄まれる感覚がする。 「ん…何…」 「弘毅、昼飯食べるぞ…(ちゅっ、ちゅっ)」 ……ちゅっ?……パッと目が覚めた! 「ぶっ、部長っ!?うっ…痛っ…」 俺の呻き声に、達也さんは狼狽えている。 「弘毅っ、大丈夫かっ!?」 (一体誰のせいだと思ってんの?) 無言でじぃーーっと見つめると、バツが悪そうに頭を掻いた。 「…昼だから…出来合いの弁当で悪いけど…一緒に食べようと思って…あ、それ俺の」 「すみません!お借りしてますっ! ありがとうございます!いただきます!」 お腹が空いていることに気付いた俺が笑顔を見せると、達也さんもやっと笑った。 ん?何か顔、真っ赤だぞ? 「どうする?ここで食べるか?」 「ダイニングに行きます!動けるから大丈夫です。」 よいしょ、と腰を庇いながら起き上がり、今朝より幾分良くなっていることに安堵して、達也さんが無理矢理出してくる手にすがり歩き出した。 「…明日も休んで」 「ダメですっ!で休むなんて! 部長、俺を甘やかし過ぎですっ!」 「…部長じゃなくて…」 「あっ…達也さん…」 お互いに真っ赤になっている。 照れながら完食して言葉の探り合いをしていると、時計を見た達也さんが立ち上がった。 「ヤバいっ!時間だっ! 弘毅、このままにしておいて! 夜も何か買ってくるから、いい子で待ってて…」 言うや否や、むちゅーっ、とキスされた。 唐揚げの味がする… 「行ってきます。」「行ってらっしゃい。」 達也さんは上着と鞄を引っ掴むと、ドスドス足音を立てながら行ってしまった。 しーーーーーん 静まり返る部屋。 昼休み、時間がないのにわざわざ帰ってきてくれたんだ…胸がじんとする。 温かく安らいだ気持ちになりほおっと息を吐いた。 ふとテーブルを見ると薬局のビニール袋が置いてあった。 「達也さん、忘れ物でもしたのかな…」

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