57 / 280
思いを告げる(15)
必要な物ならラインしなきゃ…中を見ると、シップが数種類入っていた。
あ、これ、ひょっとして俺のため?
その時、携帯が鳴った。
達也さんからのメッセだ!
『テーブルにシップを置いてきたから、よかったら使ってくれ。
弘毅、お前の顔を見たら嬉しくて、渡すのも忘れてしまっていたよ。
いい子で待ってるんだぞ。』
達也さん…ありがとうございます。
でも…子供扱い止めて。
急いで返信する。
『ありがとうございます!
早速使わせていただきます。
それと…
私は成人過ぎた大人ですから。念のため。』
速攻で大爆笑する犬のスタンプが送られてきた。
こんなお茶目な面もあるんだ…
それにはどう返していいか迷ったが、いじけた猫のスタンプを送り返して携帯を置くと、シップを有り難く頂戴した。
ひんやり…じわじわと効いてくる。
明日はどんなことがあっても出勤せねば。
『ヤり過ぎて腰が立たなくなって休暇』なんて、係長に絶対揶揄われる。
もう、きっとバレてるだろうけど。
再びベッドに横になると、ふわりと達也さんの匂いがした。
途端に昨夜の濃厚な睦合いが脳裏に蘇り、身体が熱を帯びてヤバい。
“いい子で”なんて待てなくなるじゃないか!
他の事を考えようとするのに、思い出すのは達也さんの感じてる顔や声、自分の恥ずかしい痴態… 一頻り身悶えして深呼吸するが、心臓がバクバクしている。
これで本物を見たら、声を聞いたら、俺、多分キュン死する。
うわぁ…何で勃ってるんだ!?
ばかっ、鎮まれっ、俺!
ひとりあわあわしながらも、深呼吸して何とか落ち着かせた。
そうだ!晩ご飯!
…でも、この家、米とインスタントしかなかったんだよな… ご飯、作ってあげたいのに。
あっ、材料、配達してもらえばいいんだ!
俺は、携帯を引っ掴むと急いでアプリを開いた。
ともだちにシェアしよう!