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骨も牙も抜かれた獣:side赤石(2)

ひと口飲むと、乾き切った口内や喉をゆっくりと液体が嚥下されていく。 はあっ…思わず漏れたため息に、寺橋は 「部長、ちょっとスミマセン。」 と外を指さした。 俺はカップを左手に持つと、女性陣に向かって右手を顔の前に持っていき『ごめんね』のポーズをした。 それを見た彼女達に安堵の空気が漂うのを見て、寺橋の後をついて行った。 空いている会議室に入るなり、寺橋のクレームが炸裂した。 「赤石部長っ!何?あの態度はっ。 皆んな『どうしたのか』『私達何かやらかしたのかしら』って怯えてたじゃん!仕事も効率悪くなるし……どうせ若林絡みでしょ? で?結局のところ、どうなったんだ?」 タメ口で捲し立てられる。 美人が怒ると迫力があるんだよなぁ…ぼんやり見つめていると、また雷が落ちた。 「おいっ!赤石っ!」 「あぁ…俺達、両思いだったんだ。」 「はあっ…やっぱりな。で?お持ち帰りしたんだろ?」 「……今、(うち)で休ませてる。 明日も…無理かなぁ……(ニヤニヤ)」 「この鬼畜っ!ケダモノっ!スケベ親父っ! ニヤニヤするなよ!キモいっ!」 「すげぇ蔑み方だなぁ…まぁ、いいや。何とでも言ってくれ。 フォローありがとう。そんでこれからもよろしく。」 「何だ、その勝ち誇った物言いは… 両思いで自分のモノにしたのに、何が不満なんだ? 幸せ一杯花一杯ご機嫌さんの赤石様が、何威嚇してんの?」 「あぁ…実はな、弘毅が動けないのに無理して起きて、コンビニの配達を頼んで俺のために晩ご飯を作ろうとしてるんだよ。 あの色っぽくてかわいい弘毅を配達に来た奴が万が一襲いでもしたらどうするんだ!? 俺はもう心配で心配で… すぐに連絡したかったのに、あのハゲネズミが邪魔をしやがって。」

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