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愛される子猫(1)

その日の少し遅い昼食。 部長と係長と俺の3人は、一つのテーブルを囲んでいた。 部長と俺の前にはA定食(今日は親子丼。部長の奢りだ)、係長は青崎さんのお手製のお弁当。美味しそう…後であのマヨネーズがかかった“何か”のレシピ教えてもらおう… 惚気る部長の話を黙って聞いていた係長は、女神のような微笑みを(たた)え、俺の肩を叩き激励してきた… 「そうか、そうか…とにかくおめでとう、若林君! うんうん、協力するから何でも言ってね!」 「…あっ、はい…ありがとうございます…」 それを蕩けそうな目で見つめる部長…頬が紅潮している。 ちょっと…その顔は社内では禁止ですって! 思わず俺、釣られて真っ赤な顔になって俯いた。 逃げたい!恥ずかし過ぎてここから逃げてしまいたい! 係長の揶揄うような視線と…何より達也さんの甘い視線に勃ちそうになる自分が、気不味くてならなかった。 その甘い雰囲気を打ち壊すように部長の携帯に呼び出しの電話があって、文句を言いながら席を立って行ってしまった。 残念なような、ホッとしたような… 係長が声を潜めて話してくる。 「まぁ、社内(うち)は社内恋愛は禁止じゃないからね。仲良くやってくれればいいよ。 …ところでさ、若林君…君ん家、OKなの?」 「え?」 「付き合うことに反対されないか、ってこと。 ごめん、どストレートに聞いちゃって。 多分、は遠慮して聞けないと思うから、敢えて俺が聞いてるんだけど…お節介でごめん。 あ、勿論、彼にも誰にも言わないから… 君を見てたら、きっちり躾けられて育った感じだし、小さい時から空手を習わせるようなお家なら、には反対なんじゃないかな、って。勝手な憶測でごめん。気を悪くしないで。」 はっ! 「…そうでした…浮かれて全然頭にありませんでした…」

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