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愛される小猫(8)
ごくっ…と喉が鳴った。
それを合図にしたかのように、達也さんは俺の手を掴むとバスルームに引き摺るような勢いで直行した。
荒々しくバスルームのドアを開けると、そんな動きとは真逆に中にそっと押し入れられた。
初めて肌を重ね合ったあの時が逆戻りしたような気がして、全身が朱に染まった。
「弘毅…」
「達也さん…」
掠れる声で名前を呼べば、忽ち逞しい身体に包み込まれる。
巻きつく肌の熱さ…高鳴る心臓の音…
下半身に当たる隆起した硬いモノからは、熱量とどくどくと脈打つ感覚が伝わってくる。
こんなに?
そんなに俺を欲しがってるの?
嬉しい…俺も…俺も達也さんが欲しいよ…
いつの間にか勃ち上がった俺のモノから、じわりと先端に透明な液体が滲み出ていた。
ぐにぐにと腰を擦り付けてきた達也さんが、ぬちゃ…という音でそれに気付いたらしい。
「弘毅、俺を『欲しい』と思ってくれてるのか?」
情欲を帯びた声音に顔を上げることができず、ただ頷くだけ。
(欲しい!欲しいんです!あなたを全部!)
心の声はこんなに叫んでいるというのに。
俺の顎を掴み視線を合わせると
「弘毅、嬉しい。俺だけがこんなに求めてるのかと思ってた…優しくするから…」
ちゅっ、と啄むようなキスをされて、それだけで頭が沸騰しそうだ。
「…そんな誘うような色っぽい顔をしないでくれ…抱き潰しそうだ…」
困ったような達也さんの顔と声。
俺は今、どんな顔をしているんだろう。
ぼんやりしている俺に、緩やかなシャワーが当てられていく。
すぐにもこもこの泡だらけにされ、敏感な部分もさり気なく全て綺麗にされて… 痛みも覚えないうちにトロトロに解された後孔は、もう達也さんの指が3本埋め込まれていた。
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