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愛される小猫(13)
明方…暑くて目が覚めた。
ここ…俺の部屋じゃない…達也さん家だ。
ぐるりと俺の身体…胸元と足に巻き付く何か。
一瞬どきりとしたが、すぐに愛おしい恋人の腕と足だと気付いた。
擽ったいような、切ないような変な気分。
背中にじっとりと熱気がこもっている。
首筋に規則的に当たる生暖かい息遣い。
あぁ…俺、昨日も彼に抱かれたんだ。蘇る痴態にかぁっと身体が熱を帯びる。
大きく深呼吸して、気を落ち着ける。
愛おしい恋人の顔を見たくて、起こさないようにゆっくりと反転する。
まだ仄暗い部屋に僅かに差し込む月の光を頼りに、少し闇に慣れた視線の先にあったのは、規則正しい寝息を立てる端正な寝顔だった。
思わずじっと見つめてしまう。
(寝顔もカッコいい…)
昨夜も、アンナコトやコンナコトをされて、散々啼かされた。
気持ち良過ぎて、理性もどこかへぶっ飛んだ。
あんあんあられもなく声を上げて、何度も盛大にイってしまった。
記憶のカケラは多少残っている。
あれこれ思い出しては赤面する。
恥ずかしい。めっちゃ恥ずかしい。
俺、女のコみたいじゃなかったかな、気持ち悪くなかったのかな。
達也さん、俺で本当によかったの?
喉、乾いたな…水貰ってこよう…
絡み付いた腕から、そっと抜け出そうとしたその時だった。
「弘毅、どこへ行く?」
驚き過ぎて、びっくーーん!と跳ねた。
「えっ!?あっ、起こしてしまいましたか?
ごめんなさい!
ちょっと暑くて喉が乾いて、水を」
「俺が行く。待ってろ。」
きゅっ、と俺を抱きしめた後、達也さんは真っ裸のまま起き上がると、部屋を出て行ってしまった。
うっわー、吃驚した。起こしちゃった。
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