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難敵来襲(2)

随分とかわいがってもらった記憶はあるのだが、6つも年が離れると、遊びも流行りの音楽も何もかも好みのギャップが出てきて、兄貴というよりも、どちらかと言えばお父さん的存在だった。 家に遊びに来ていた友達もみんな大人に見えた。 大人っぽくて格好良くて、ちょっと達也さんに似ているところがある。 俺…ひょっとしたらブラコンだったのか!? 大兄ちゃんは、俺が中学生の時に大学進学を機に家を出た。 俺の思春期真っ只中の頃には家にいなかったから、今でも兄弟でありながら何となく遠い存在で近寄り難い感じもする。 小兄ちゃん情報によると、某大手企業の所謂転勤族らしく、彼女がいても遠距離恋愛が続かないとボヤいているみたいだ。今は…どうなんだろう。誰かいい人いないのかな。 小兄ちゃんは年が近いし、大学も地元を選んだから、俺が東京に進学するまでずっと一緒だった。今は彼女と半同棲しているらしい。これは親には内緒だから俺も知らぬフリをしている。 「達也さん…来週の木金とで、俺の6つ上の兄が出張で上京してくるんです。 急なんですけど、金曜日お休みいただくことってできますか? 俺の顔を見に来ると言うので、ごめんなさい、週末はアパートに戻ります。」 「そうか、お兄さんか… 勿論。寺橋に言うといい。 ご挨拶、なんて無理だよな?」 「うっ、それは…まだ、ちょっと…」 「…そうだな、そうだよな。うん、分かった。 久し振りなんだろ?ゆっくりしておいで。」 「はい、ありがとうございます。 あの、達也さん…」 「ん、どうした?」 「えーっと…離れるとちょっと寂しい…かも。」 達也さんがソファーに突っ伏した。 「たっ、達也さん!?」 暫くして起き上がった達也さんに抱き竦められた。 「弘毅…そんなかわいいこと言うと、今晩抱き潰すかもしれない…」 ひえぇ 「いえ、それは勘弁して下さい! あの…お手柔らかに…」 ニヤリと笑った魔王がゆっくりと唇を重ねてきて…………

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