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難敵来襲(9)

エライことだ…… これはじっくりと聞き出して見極めねば。 都会で悪い虫でもついてたら大変じゃないかっ! もしそうなら全力で阻止するっ! 「…ちゃん、大兄ちゃん!」 はっ 「おおっ、どうした、弘毅?」 「呼んでも返事しないから…ねぇ、何処で降りるの?」 「えーっと…ヤバい、次だよ。」 アブナイアブナイ、乗り過ごすところだった。 流石俺の弘毅。気が利くな。 間もなく駅に到着すると、2人並んで某有名ホテルへと向かう。 ご立派な正面玄関に堂々と足を踏み入れた。 戸惑いを隠せない弘毅を伴い、エレベーターのボタンを押した。 弘毅がこそこそと耳打ちする。 「…大兄ちゃん…まさか、ここ?めっちゃ高級店だよ?お値段、高いよ?大丈夫? 俺、普通の焼肉店でいいんだけど。」 「おう、そのまさか。 偶にはいいだろ?お前だってこんな所来たことないんじゃないか?」 「…何回かあるよ。」 何っ!?まさか彼女とか?むむっ、これは侮れん。 「そっ、そうか。来たことあるのか…誰と?」 弘毅は一瞬口籠った。 「あ、うん。うちの部長と。」 「部長?男か?」 「うん、そう。」 そうか、男なら安心か。 ………ん?ちょっと待てよ。さっきの一瞬の間は何だったんだろう。 何かカンのようなものが働いた。 「部長って幾つ?」 「…んー…三十代。滅茶苦茶仕事ができて人間的にもデキた人。に慕われてる。」 「ふーん…2人で?」 「う、うん…何でそんなこと聞くの?」 「えっ、いや。こんな高級店に度々来るなんて、何か下心がありそうで。」 「…大兄ちゃ」 ポーン 弘毅が何か言い掛けたが、到着のチャイムに遮られてしまった。 何となく妙な雰囲気になったが、取り敢えず降りて店に向かう。 何かある。絶対何かある。 俺の“弘毅センサー”がビビッと反応した。

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