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難敵来襲(11)
それでもたわいない話をして食事が進む頃には、いつもの弘毅に戻ってきたようだった。
「大兄ちゃん、美味しいっ!」
ふにゃりと微笑む顔に、俺は写メを撮ろうとしたが、物凄い顔で睨まれて断念した。
くそっ。シャッターチャンスだったのに。
まぁ、明々後日までに時間はあるから諦めないぞ。
絶対写メって待ち受けにする。
締めのシャーベットまで綺麗に平らげて、満足気な弘毅を幸せな心地で眺める。
うんうん。腹一杯か?よかったなぁ。
お高いだけあって、柔らかくてジューシーで味に深みがあって、いつもの肉なんて比べ物にならないくらいに美味かった。暫く他の店のは食べれないと思う。
腹が膨れて満足したら、さっきの違和感がむくむくと湧いて来た。
「弘毅。」
「ん?大兄ちゃんご馳走様。凄く美味かった。
ありがとう。」
「どう致しまして。
これからお前んち行ってもいいか?」
「いいけど…客布団ないよ。
ホテルとってあるって言ってたよね?」
何だか家に行くのを拒否られてる?
「んー…じゃあ、お前一緒にホテルに泊まれ。
久し振りなんだから色々聞きたいこともあるし。
家まで寄ってやるから着替え持ってこいよ。
明日も出勤だろ?」
「明日はお休みもらったよ。
せっかく来るんだからゆっくりしなさい、って。
大兄ちゃんだって仕事じゃないの?」
ほおっ、気が利くな…まさかその部長か?
喉元でその質問を飲み込んだ。
「そうか!
俺は今日で全部終わらせたから、明日からは一緒にいられるな。
じゃあゆっくり夜更かしできるじゃないか!
俺がいる間ホテルに決定だ!
ほら、着替え取りに行くぞ!」
「□△駅まで戻ることになるけど…」
「いいよ。ホテルもそこら辺で予約してるから。
ちょっと部屋変更できるか確認する。」
俺はちゃっかりと1人追加のシングルからツインへ、3泊4日の予約変更を済ませた。
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