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難敵来襲(15)
が――ん…頭をバットで殴られたような衝撃が走った。
俺の…俺の、俺の、俺の大事な弘毅が、オトコに、男なんかに誑かされて。
一体、どうして?何で?
まさか、まさか、身体の関係なんてないだろうな!?怖くて聞けない。
「いっ、一応聞くけどさ、付き合うっていうよりもさ、シェアした方がお互いにメリットがあって、それで暮らしてるんだろ?
そうだろ?な、な?」
最後の望みを掛けて弘毅に縋るように問いただす。
が…弘毅は涙目で俺を見つめ、ゆっくりと首を横に振った。
フリーズする俺を他所に、弘毅がポツリポツリと話し始めた。
「…入社して暫くして………お互いに両思いだって分かって……一緒に住み始めたのは、最近。
………凄く頭が良くて仕事もできて、真面目で真っ直ぐで、上司や部下からも信用が厚くて、穏やかで優しくて、何よりも、俺を………大切に思ってくれる恋人。」
“恋人”“恋人”………“恋人”…単語がエコー付きでリフレインする。
ああっ…やっぱりそうなのか…
俺の、俺のかわいい弘毅が、オトナの階段を登ったというのか!?
アンナコトやコンナコトされてるっていうのか!?
ああっ、そんな、そんな馬鹿なっ!
俺の、俺の弘毅がっ!!
目を見開いて口をパクパクする俺に、弘毅は腹を決めたのか
「俺達、真剣なんだ。
性別なんか関係なくて、俺は達也さんだから恋に落ちて結婚の約束もしてる。
今回も『大兄ちゃんに挨拶を』って言われたけど、俺に覚悟がなくて断った。
結局、バレちゃったけど。
達也さんは『あのアパートを解約して引越しておいで』って何度も勧めてくれてるけど、全てのことがクリアになるまでダメだな、って思ってそのままにしてあるんだ。」
恋に落ちた!?結婚の約束!?
“達也さん”というのか…俺に挨拶!?
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