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酔虎(1)

宣言通り、寝室以外の全ての部屋を見学した俺達は、何故か頬を染め面映そうな弘毅に先導されてリビングに戻ってきた。 満足気な茂明は、俺の意見を無視して奴に話し掛ける。 「赤石さん、素敵な家ですね。弘毅好みの物も沢山置かれてて…仲良く暮らしてるのが伝わってきました。俺達も文句ありませんよ。な、にーちゃん。 弘毅を大切にして下さってありがとうございます。 うわっ、美味そぉ!腹鳴ってる。 準備とか丸投げしてすみません。」 「ありがとうございます。そう仰っていただいて嬉しいです。 弘毅の暮らしぶりを見ていただいたら安心していただけると思いまして……あ、出来合いの物ばかりですみません。でも、なかなかここの惣菜は美味いんですよ。な、弘毅?」 奴はそう言って弘毅を見つめる。 それに応えるように、甘い視線で弘毅が頷いて応える。 …分かった。分かったから、俺の目の前でそういうのは止めてくれ。頼む。 弘毅、にーちゃん身の置き所が無くなる。 尻がこそばゆくて仕方がない。 あらぬ画像が浮かびそうで、俺は思わずぶるぶると首を振った。 自慢じゃないが、俺はかつての恋人達とだって、こんな甘ーい雰囲気になったことは…ない。 くそっ、リア充め。 羨ま………え?……そうか、俺はコイツらが羨ましいんだ。 嫉妬!?そうだ、嫉妬だ。 男同士云々より、心から愛し合ってる2人に嫉妬してたんだ! はぁ……何だよ。情けねーな、俺。 改めて目の前の恋人達を眺める。 見つめ合っては微笑み合う2人……… 「じゃあ、早速お言葉に甘えて乾杯といきますか!」 呑気な茂明が缶ビールを開け、其々のグラスに注ぎ始めた。 茂明……お前、何仕切ってんの? お前、やっぱ図々しいわ。 でも……そんな茂明を奴と弘毅はニコニコしながら眺めている。

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