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デートに保護者(10)

「おばさんにも弘毅達のこと説明しなきゃならんしな。 電話じゃちょっと……来月になれば仕事も落ち着くだろうから、直接会いに行って来るよ。」 「にーちゃん、俺も行く! 2人で会いに行った方が説得力あるだろ? 俺も来月ならまだ予定組み替えできるから、にーちゃんに合わせる。 いつにする?」 「お前も来るのか?」 「うん!勿論。」 うーん……コイツはがあるからな。 でもまぁ、策士の茂明を連れて行けば何かと役に立つだろう。 「…分かった。ここら辺はどうだ?それか、ここ。」 俺はスケジュール帳を取り出して、休めそうな日を幾つかチェックして茂明に見せた。 茂明も自分の携帯を操作して2人で擦り合わせていく。 「先に都合を聞いておくか。俺達の希望日と合えばいいんだが。」 善は急げ。 俺は画面をタップして、目当ての番号を呼び出した。 トゥルルル トゥルルル トゥルルル 「はい。勝義?久し振りねぇ、元気? どうしたの?何かあった?まさか結婚?」 矢継ぎ早の質問に苦笑しながら 「おばさん、相変わらず元気そうだね。 結婚はないよ、フラれたばかりだ。 実は、おばさんに相談と頼みたいことがあってさ。 電話じゃ説明できないから直接話したいんだ。 来月、俺と茂明でそっちに行きたいんだけど都合のいい日はある? できれば○日か△日の辺で。有給取って行くから。」 「あらー、何?まさか変な勧誘かお金の無心じゃないでしょうね(クスクスッ) それならお断りよ。」 「ははっ、そんなんじゃないから安心して。 弘毅のことだから。」 「弘毅の?だから茂明まで?……ふーん。私にだけ相談?パパは?」 「話を聞いておばさんが判断してほしい。」 「…“内々の相談”ってことね。 いいわよ。じゃあ早い方がいいわね。 ○日はどう?平日なら仕事でいないから。 泊めてあげたいけどパパにバレない方がいいならホテルでも取る? 加奈子には内緒にしとけばいいのね?」 流石おばさん、話が早い!

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