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デートに保護者(11)

「おばさん、流石冴えてる。相変わらず凄えな。 ホテルは自分達で手配するから大丈夫。 相談できるのおばさんしかいないから……ごめん。」 「ふふっ。なーに言ってんだか。 持ち上げても何にも出ないわよ。 空けておくから時間とか決まったら連絡頂戴。 勝義、長男は何かと苦労するわね。 まぁ、私で役に立つならいいのだけど。」 「ありがとう! 詳細決まったらまた電話します。 おばさん、ありがとう!」 「分かったわ。茂明にもよろしく言っといて。 あ、お土産は『信○餅』と『う○ぎパイ』よろしくね!」 「お安い御用! じゃあありがとう。お休みなさい。」 「じゃあね、お休み。」 ふうっ…… 「茂明、○日で決まりだ!あとはもう…なるようになれ!お土産は信○餅を御所望だ。頼んだぞ。 当日はそうだな…昼飯食べてからおばさん家に向かうようにするか。気ぃ使わせても何だしな。 平日なら日中おじさんも仕事でいないから、午後からゆっくり話聞いてもらえると思うし。」 「OK。外堀から埋めて行って陥落……にーちゃん、策士よのぉ。」 「お前程じゃねーよ。」 一歩進んだことに少し安堵したら、睡魔が襲ってきた。 「茂明、俺もう寝るわ。何かホッとしたら…」 「俺もだよ、にーちゃん。今夜はもう休んで明日は早起きしようぜ。アラーム忘れんなよ。 げっ。お袋から何かきてる。」 「うえっ。俺んとこにも。何でこのタイミングで!?無視だ、無視っ!…悪いが今は関わる勇気はない。」 「俺もだよ。無視して寝ようぜ。」 「おぅ。お休み。」 「うん、お休み。」 翌朝早起きした俺達は、例の如くホテルのバイキングで腹を一杯にした後、ゆっくりと支度を済ませた。 茂明の方が新幹線の時間は遅いが、一緒にホテルを出る。 「じゃあ茂明、また電話する。 お前が来てくれて本当に良かった。ありがとうな。」 「俺も来て良かった。 にーちゃんは流石にーちゃんだな。 ありがとう。頼りにしてるよ。 集合時間決まったらまた連絡して。」 「おぅ。じゃあな。」 「うん。元気で。」 心地良い疲れが残っていた。 座席に座った途端、また睡魔に襲われた。

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