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デートに保護者(12)

side:赤石 2人の保護者をホテルまで送り届け、嬉しい言葉に我を忘れて思わずハグまでしてしまった。 お陰で弘毅に笑われる始末。 『見送りはいらない』と言った勝義の気持ちも分かる気がする。 兄貴の精一杯の虚勢だよな。 車で2人っきりになった途端、弘毅が切り出した。 「達也さん、お忙しい時にご迷惑を掛けてすみませんでした。その上に嫌な思いを沢山させてしまって…」 「弘毅、何度言えば気が済むんだ?俺は嫌な思いなんかしてない。心配するな。 結果的にお義兄さん2人に認めてもらえたじゃないか! こんなに心強いことなんかないぞ! これで第一関門突破だな。」 「達也さん……」 「それに俺以外に甘える弘毅が見れて楽しかった反面……妬いた。」 「妬く?達也さんが?」 「あぁ。お前が甘えるのは俺だけでいい。」 俺は弘毅の右手をギュッと握った。 弘毅は何か言いたげに口を開き掛けたが、そのまま俯いてしまった。 それっきり黙ってしまった弘毅の手は熱を帯びて…俺は緊張から解き放たれた安堵感と弘毅の温もりから伝わる愛情に、高揚していた。 車を降りても手を離さない。 弘毅もしっかりと指を絡めてくる。 エレベーターのドアが閉まった瞬間、防犯カメラに背を向けて、弘毅に覆い被さるように抱き寄せてキスをした。 一瞬強張った弘毅の身体は、すぐに綻んできた。 ほんの僅かな時間で急激に上昇した体温は、新たな熱を呼ぶ。 絡み合うように小さな箱から降り、敢えて冷静なそぶりで鍵を開けた。 やっと2人っきりになった部屋。 フットライトが仄かに灯る玄関で、噛み付くようなキスをする。 弘毅は俺の胸元を掴み、俺が仕掛けるキスに必死で応えようとしている。その拙さにまた俺の舌の動きが加速してしまう。

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