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求め合う(1)

家に着くとシャワーを浴びる時間も惜しくて。それでも弘毅は、「一緒に入る」と言い張る俺を制して「少し時間を下さい」と恥ずかしそうに言ってバスルームへ消えていった。 自分でやらなくても、一緒に入って俺がちゃんとヤってやるのに。 弘毅は『セーフティセックスのために』と、繋がる前の手間を惜しんだりしない。 スキンもつけるようにと、口を酸っぱくして言われるが、その頃には俺がぶっ飛んでしまっているから忘れることもある。 繋がりたいという気持ちが急いて、ついつい強引にしてしまうこともあるが、コテンパンに叱られる。 『バイ菌が入っちゃったらどうするんですか!?後で痛い思いをするのは達也さんなんですよ!』 その時は反省するのだが、愛らしい弘毅を目の前にすると……で、また叱られるのだ。 今日は何処か頭の芯が冷えていて、自分を抑える理性がまだ残っていた。 お母さん達の承諾を得てハイテンションになっているとはいえ、最難関の弘毅のお父さんのことが気になっているからだろう。 とか何とか言っても身体は正直だ。 さっきから痛いくらいに熱を持っている。少々シャワーの水を当てたくらいじゃ治まらない。 やっぱり俺が、と思いバスルームに向かおうと立ち上がったところへ、ドアが開いて弘毅がバスローブ姿で入ってきた。 「…お待たせしてすみません。あっ。」 弘毅の手を引いて抱き寄せた。 湯上りの弘毅はいい匂いがして、ほわほわと立ち上る湯気の残りがしっとりとして肌を包んでいる。 「弘毅……お父さんがどんなに反対されても、俺は絶対に諦めない。 何年かかっても、絶対に認めてもらう。 だから……離れないでくれ。」 「達也さん……」 弘毅が目を瞑り顔を少し上げた。

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