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求め合う(2)

待ってました、とばかりに顎を掬い唇を合わせる。 柔らかな感触を暫し堪能して、その輪郭を舌先でなぞると、遠慮がちに開いていくその隙間に舌を入れた。 クールミント味の唾液に、弘毅の気遣いと情欲を感じた。 風呂上りの弘毅の体温が上昇していくのが分かる。 何度キスをしても肌を合わせても、初々しい。 かと思えば、今みたいにキスを強請る仕草は、俺が仕込んだんだ、と思うと口元が綻んでいくのを止められない。 俺が開発した俺だけの弘毅。 身体も心も俺だけのもの。 腰に巻いていたバスタオルがはらりと落ちて、足元に落ちた。 昂る俺自身に思わず苦笑する。 唇を合わせたまま、弘毅が纏っていたバスローブを脱がせ、折れそうに細い腰を引き寄せて、きつく抱きしめた。 ワザとのように腰を擦り付けると、お互いの屹立が挟まれ密着し擦れ合って、それだけでイってしまいそうになる。 こんなので暴発したら洒落にならん。 ゆっくりと離れると、お互いの粘った液が身体についていた。 弘毅は、はぁ…と悩ましげな吐息を漏らした。 俺は弘毅の手を取り、ゆっくりとベッドに(いざな)った。 余裕ぶった動きだが、本当のところ1秒でも早く弘毅の中に入りたくて入りたくて焦っていた。 だが、繋がる部分を緩めてやらないと弘毅を傷付けてしまう。 ローションは枕の下にセットしてある。 格好良くスマートに…あんなことやこんなことを…… お互いを焦らすように目を見つめながら、ベッドに弘毅を押し倒し尋ねた。 「弘毅、これから先ずっとお前だけを見つめてお前だけを愛する。 一生、俺の愛で雁字搦めにするが、いいか?」 弘毅は大きく目を見開き、すぐに破顔した。 「その言葉、そっくりそのままお返しします。 達也さん、愛しています。」

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