206 / 280
求め合う(4)
魅惑の粒にゆっくりと唇を近づけていくと、弘毅はどうされるのか想像したのだろう、ぴくりと身体を跳ねさせた。
ふっ、と息を掛けると「あれ?」というような表情をした。かわいいな。
俺がしゃぶりつくとでも思ったのか?
くくっ。そうしてほしいならそうするが。
ご期待に添えなくて残念だが、今日は甘噛みしたい気分なんだ。
すかさず俺は赤い粒に吸い付くと歯を当てた。
弾力のある噛みごたえがする。
「あっ、そんな、んっ」
痛くはしてないぞ。
あくまでも“甘噛み”だからな。痛キモチイイレベルと言ったところか。
仔犬が戯れて噛むように、俺は弘毅の胸を堪能した。
勿論反対側は指で愛撫してやる。
噛むだけではない、舌先でも散々嬲ってやった。
だが…あまりやり過ぎると、シャツに擦れて敏感に反応するから…名残惜しいがこの辺で止めておくか…
その頃には弘毅は涙目で
「達也さんの意地悪…」
とアヒル口で抗議してくるが、しっかりと勃ち上がった先端からは、たらりと先走りが垂れてるぞ。
「すまない。お前が余りに可愛すぎて」
「お返しですっ」
弘毅はそう叫び、布団に潜り込んだ。
えっ!?
下半身にずくりと甘い痺れが走った。
ま・さ・か
布団を捲ると、足元に弘毅が丸まっていた。
そして
俺自身を根元から握り締め咥えている。
うぉ――っっ!!!
弘毅が…弘毅が、俺の…俺自身を……
ああっ、眼福っ!堪らねぇっ。
腹の奥から快感が駆け抜けていく。
ぬちゅぴちゃっぴちゃっ
何とも例えようのない音が、弘毅の口元から零れ落ち、視覚も聴覚も嗅覚も余りの気持ち良さに麻痺していく。
俺は手を伸ばし、弘毅の頭を撫でてやった。
弘毅は、ちろん、と上目遣いで俺を見ると
「はふやひゃん 、ひもひいい ?」
ドクッ………瞬殺………
呆気なく暴発した…………
ともだちにシェアしよう!