211 / 280

求め合う(9)

「あっ、深いっ、くる、ああっ」 弘毅の切羽詰った声に煽られて、抉るように切っ先を引っ掛け、ごりごりと進み引き戻す。 排泄感を伴うむず痒いような甘い痺れに、下半身が支配されていく。 気持ちイイ。このまま達したら、きっと最高に気持ちイイんだろうな。 でも、まだだ。高め合って共にその瞬間を迎えたい。 滑った襞に導かれずんずん突いていくと、初めての感触にぶち当たった。 これ、何だ? 今まで暴いたことのない弘毅の奥まで達しそうだ。俺しか知らない、俺しか感じることのできないその場所に。 そこに俺の分身達を吐き出して……中も外も俺で満たしてやりたい。 「達也さんっ、こんなの、ああっ、あっ」 弘毅は涙をぽろぽろと流して、どうやら初めての感覚に戸惑っているようだ。 「弘毅、大丈夫だ。俺に委ねて。任せて。」 弘毅は健気にもこくこくと頷いた。 弘毅の上気した肌は汗ばんで、仄かにボディソープの香りがする。 揺さぶられて弘毅自身も激しく揺れている。 俺はそれをそっと優しく掴むと、弘毅はくっ、と喉を鳴らした。 最終コーナーを走るランナーのように息が荒い。 痛いのではない。刺激が強過ぎるだけだ。 男だから俺も分かる。 先走りの滑りを借りて上下に扱き上げると、弘毅の中に締め上げられた。 「うっ」 絶妙な締め加減に危うく達しそうになるのを懸命に堪える。 片手で腰を掴み、奥へ奥へと楔を打ち付ける。 もうそろそろか。 俺も弘毅も限界だ。 「…弘毅、出すぞっ」 返事はないが、潤む瞳が求めてくれている。 瞬間、ぐにゅりと切っ先が引っ掛かり、今まで感じたことのない場所に辿り着いた。 ここか!? 思い切り捻じ込むと、耐えていた熱が弾け飛んだ。 「くうっ」「あああっ」 ほぼ同時に弘毅も俺の手の中に吐き出した。

ともだちにシェアしよう!