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難関突破!?(1)
side:弘毅
2人の兄と、母さんと由美江おばさんに認めてもらってから2カ月が過ぎた。
あれから、達也さんは母さんとよくコンタクトを取っているようだった。
俺の知らない情報を達也さんが先に知っている。
例えば……父さんに関すること。
父さんは例の倉橋さんちにかなり影響を受けてきたみたいで…
貴 君達、よく実家に帰ってくるみたいで、それで父さんとも顔を合わせることが多くなって。
一緒にご飯食べたり飲んだりするようになって、最近、何だかそういう関係を受け入れてるらしい。
『いい兆候よ。刷り込み中だから。』って母さんは笑って、さり気なく肯定の方向に誘導しているらしい。
俺抜きで2人の距離がぐっと縮まっている。
仲良くなるのはいいんだけど、ちょっと妬ける。
そして、俺の実家に早く行こうと調節を繰り返してくれていたが、大幅な人事異動で猛烈に仕事が忙しくなり、土日もないくらいのフル活動になってしまった。
「弘毅、ごめんな。
早く片付けてお前の実家にご挨拶に行きたいんだが、こんな状態で……」
申し訳なさそうに告げる達也さんは、流石にかなりお疲れモードだ。
「大丈夫です!
もう少し態度が軟化してからの方がいいかも。」
「そうか。でも、できるだけ早くご挨拶に行かなくては。
殴られても蹴られても、俺は何度でも立ち上がってトライするからな!
お父さんの許しを得たら結婚式だ。
スピードアップして終わらせるから、もう少し待ってくれないか?」
「達也さん、慌てなくても大丈夫です。
結婚式なんて……(ごにょごにょ)
それよりもオーバーワークじゃないんですか?
俺は達也さんの身体の方が心配です。
最近ご飯もお代わりしないし……」
「俺なら大丈夫だ。心配してくれてありがとう。弘毅は優しいな。
いつも俺のことを気にしてくれて…
そうだ、今夜はトンカツにしてくれないか?
がっつり食べて元気出さなきゃな。」
「はい!」
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