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難関突破!?(10)
「義姉さんっ!?勝義、茂明まで!?
皆んな…知ってたのかぁ!?」
「つい最近。怒らないでね。
繁さんが大暴れすると困るから止めにきたの。
私達が来ることは加奈子は知らないわよ。
この子、嘘が下手だからバレちゃうと困るし伝えなかったの。
この分じゃあ…お許しが出たようね。
達也さん、弘毅、良かったわね。
繁さん、あなた見直したわ。やるじゃない。」
「許すも許さないも…いや、その…」
「お義父さん、ありがとうございますっ!
弘毅君をいただきます!」
「えっ、いや、その」
「父さん、本当にありがとう!
俺、達也さんと幸せになるからっ!」
「ちょっ、ちょっと待っ」
「じゃあおめでたいことだから今から宴会ね!
うちの人も今こっちに向かってるから!
気にしてたからね、ちょっと連絡しておくわ。
かーなーこぉー!
仕出し屋さんに電話してー!
1.2.3……8人分、お祝いのお料理持ってきてもらって!
私が出すから!大至急ね!」
おばさんの迫力に押し切られた感の父さんは、何やらゴニョゴニョと呟いていたが、やがて諦めたように達也さんの方に向き直った。
「赤石君、私の大切な息子なんだ。
泣かすような真似は絶対にしないと、ここで誓ってくれ。
一生守って大切にすると。」
父さん、ちょっと涙目になってる……
「お義父さん!
私は弘毅君を泣かすような真似はしませんっ!
弘毅君を一生大切にしますっ!
お義父さんの、ご家族の前で誓います!
ですからご安心下さいっ!」
達也さんの度重なる宣言に、胸がぐっと詰まる。
俺、本当に本当に愛されてるんだ。
母さんもそっと涙を拭っていた。
大兄ちゃんと小兄ちゃん、おばさんも頷いている。
「達也、大事な弟をお前に託すんだ。
幸せにしなかったら許さないからな。」
「あぁ、勿論だ!言われなくてもそうする。」
肩を叩き合ってハグする達也さんと兄達がボヤけて見えた。
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