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難関突破!(2)
おばさんが叫んだ。
「結婚式!?行くわよ、行きますっ!ね、パパ!?
タキシード?紋付袴?
うわぁ、楽しみぃ!」
おじさん:
「*“あたりまえだのクラッカー”!新婚旅行何処に行くんだ?
旅行会社にツテがあるから頼んでやるぞ。
由美江さん、俺の礼服出しといてね。」
母さん:
「やっぱりダイエットしなくちゃ。間に合うかしら…」
大兄ちゃん:
「有給申請するから早めに言えよ。
ついでに東京観光して帰るから。」
小兄ちゃん:
「俺、彼女連れてきたらダメかなぁ……」
それぞれに、それぞれが言いたいことを言って盛り上がる一方で…
父さんは……無言だった。
母さんに肩をどつかれて、やっと
「…分かった。いい日を選んで早めに知らせろ。」
ぼそりと呟いた。
達也さんは意気揚々と宣言する。
「弘毅君と何日か日を選んで、皆さんのご都合の良い日と擦り合わせて、早急に連絡させていただきます。
今、分かる範囲で可能な日を教えていただけませんか?
万象お繰り合わせの上、ご出席よろしくお願いいたします。」
丁寧に深々と頭を下げた。
先日といい今日といい、達也さんは一体何度俺の家族に頭を下げればいいのか。
申し訳なさ過ぎる。
「達也さん…ごめんなさい…」
ぽろりと口に出てしまった謝罪の言葉。
「弘毅?何に対して?
俺は謝られるようなことは何もしてないけれど。」
「だって、この間から…達也さん、俺の家族に頭下げてばっかりで…
何にも悪いことしてないのに、申し訳なくって…」
「弘毅を俺の元に迎えるためなら何度でも頭を下げる。
そんなことくらいでお前を手に入れることができるんなら安いもんだ。」
「…でも」
「おいおい、イチャつくのは2人っきりの時にしてくれよ。
親父見てみろよ。完全に拗ねてるじゃないか。」
大兄ちゃんの言葉に、皆んなの視線が一斉に父さんに向いた。
「なっ、何だよぉ。別に拗ねてなんかねぇしな!
とにかく、決まったらすぐに知らせろ。
あー、酔っちまった。俺は寝るぞ!」
大声で怒鳴り散らすと、さっさと居間を出て行ってしまった。
*分かる方いますか!?いたら嬉しい(笑)
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