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挙式へ(3)
くすくすっ
「達也さんは俺の欲しいものを全てくれます。」
「全て?」
「はい!全て。」
「俺も弘毅から貰ってるぞ。」
「本当ですか!?」
「あぁ。俺達はお互いに欲しいものを与え合っているんだな。
弘毅、俺は独占欲も強いからそのつもりで。」
「くすくすっ。達也さん、俺もですよ。」
「ははっ、それは何よりだ。
そうだ弘毅、エステを予約してきたから明後日行っておいで。」
「え?エステ?俺が?何で?」
「遥さんオススメのブライダルエステ。
今回は腕と膝から下の足とデコルテだけにした。
しっとりときめ細やかな肌になるらしいぞ。
弘毅は今でも吸い付くような肌なんだが、更に磨きがかかるのは、俺も楽しみだな。」
「エステなんて、そんな…俺、そんなのやったこともないし…困ります。」
「勝手に決めて悪かった……嫌か?」
「嫌と言うか…その…達也さん以外の人に触られるのは…ちょっと……うわっ」
達也さんに抱きすくめられた。
「俺だって嫌だけれど。
でも、弘毅が俺のためにもっと綺麗になってくれたら嬉しい。
それにプロが仕事としてやってくれるんだから、その辺は仕方がないから妥協する。
実は、お前の通う美容室や、気さくに会話するスーパーの店員にだって、ちょっと嫉妬することだってあるんだ。
…心の狭い男だと笑ってもいいぞ。
でもそれだけ弘毅を俺だけのものにしておきたいんだ。
弘毅を閉じ込めて、誰の目にも触れないようにしたい……」
「もう、達也さん…」
呆れたように名前を呼ぶと、またぎゅ、と抱きしめる腕に力を込められた。
それにしても遥さん、なんてモノをオススメしてるんだ!?
エステ、って俺、男なんだけど?
それに乗っかる達也さんって……遥さんのセールストークに負けちゃったのか?
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